第四幕(2)

文字数 168文字

ポッセ・アナー。
十二日。
僕は空腹と疲労でもうろうとしていて、そのくせ、妙にハイだった。二人で最後のカディクのかゆをすすった。あとは砂糖がひとつかみだけだ。
進みながら、道を探したが、雪に埋もれていて皆目わからない。
オドソードニ・アナー。
十五日。

出発から81日目。

夕方、遠い山すそに、ちらちら降る雪をとおして、人の家の明かりが見えた。

音楽。
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登場人物紹介

ゲンリー・アイ

地球出身。惑星同盟《エキュメン》の特使。惑星《冬》ことゲセンに単身降り立ち、カーハイド帝国の皇帝に開国をうながす。長身。性格は誠実で直情的。推定される容貌はアフリカ系。男性。

セレム・ハース・レム・イル・エストラヴェン


ゲセン出身。帝国カーハイドにおける《王の耳》(宰相に相当する最高実力者)。ゲンリーの使命の重要性をただ一人理解する。やや小柄(ゲセン人の平均的体躯)。性格は慎重かつ大胆。推定される容貌はアジアあるいはエスキモー系。中性(両性具有)。

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