流しそうめん大会(大食い対決Ⅱ)
文字数 3,843文字
選手紹介とルール説明が終わり大食い対決へと発展する。
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「ニコルさん、おめでとうございます!ケヴィンさんから告白されましたよ」・・・レオノーレ
「多分、全然違うと思う」・・・ニコル
「そうなんですか?」・・・レオノーレ
「これでもケヴィンとは長い付き合いだから分かるけど、他のことには
「それは残念でしたね。」・・・レオノーレ
「そう――って違う。今のはなしよ、なし。危うく誘導質問に引っかかる所だった」・・・ニコル
「ふふふ。さっきのお返しです」・・・レオノーレ
(俺が今聞いたことは胸の内にしまっておこう。触らぬ神に
「そういえば、挑戦者は濃い面子ばかりだな」・・・オズワルト
「一風変わった方ばかりですね」・・・レオノーレ
「でも、そちらの方が私は面白くて好きかも」・・・ニコル
「謎の覆面ってなんだ?誰だ?アレスの知り合いか?」・・・オズワルト
「分かりません」・・・レオノーレ
「誰が勝つと思う?」・・・オズワルト
「私はアレスさんを応援していますのでアレスさんです」・・・レオノーレ
「アレスは友人だけど、私はケヴィンを応援するわ」・・・ニコル
(誰を応援ではなく誰が勝つか聞いたつもりだけど、これも人の情。応援している人に勝って欲しいと強く思うのは自然か。聞いたのが悪かったか)・・・オズワルト
「ああ。俺もアレスが勝つと思う」・・・オズワルト
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「それでは、選手のみなさん説明された自分の配置について下さい」・・・寮イベント発起人
説明された概要は次の通り。俺達はゼッケンの大きな番号順にコースの下流近くに配置される。それを選手と選手の間隔は1mごとに空けて、番号順に上流に向けて配置される。選手の
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「皆さん、配置に着きましたか?」・・・寮イベント発起人
「それではスタート」・・・寮イベント発起人
こうして、戦いの
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「1番のゼッケンの俺が一番上流に近い、全部食べ切ってやる」・・・1番アルフレド選手
「おっと、1番のゼッケンのアルフレド選手、流れてくるそうめんを全部箸で掴んで食べています。まさか、このまま後ろにそうめんを流さない作戦で全部食べ切ってしまうのか~?」・・・寮イベント発起人
「そうめんが流れて来ない。グスン」・・・2番ミーシャ選手
「過去にも似た大会が開かれたことがあるが、今までこの多すぎるそうめんを全部食べ切った者はいない。せいぜい今のうちに楽しんでおけ」・・・6番謎の覆面選手
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「流れてくるそうめんが多い上に速い。掴み取れない」・・・1番アルフレド選手
「あっ。やっとそうめん来た」・・・2番ミーシャ選手
「めんつゆにつけると、そうめんが美味しい」・・・2番ミーシャ選手
「ようやく2番のゼッケンのミーシャ選手の所にもそうめんが流れてくるようになりました。ええ、これは作戦なのでしょうか?ミーシャ選手ゆっくりとマイペースにそうめんを
「俺の所にもそうめんが流れてくるようになったか。めんつゆをお碗に入れて流れてくる水をスプーンで
「ゴホゴホ」・・・1番アルフレド選手
「おっと、1番アルフレド選手、速く食べ過ぎてむせています」・・・寮イベント発起人
「
1番アルフレド選手がむせている間に、後続に次々とそうめんが流れていく。
「フンフンフン♪♪」・・・4番モテール選手
「おっと、モテール選手はいったい何をしているのでしょうか?全くそうめんに手をつけておりません。これは作戦なのでしょうか?それにつけても手鏡で自身の髪の乱れを直してばかりいます。これはどういうことなのでしょうか?」・・・寮イベント発起人
(今日も私は美しい)・・・モテール
「そうめんを食べるより大事なことがあるんだ。邪魔をしないで貰いたい」・・・4番モテール選手
「おっ。旨そうなそうめんが流れてきた」・・・5番ケヴィン選手
「おっとケヴィン選手、
「俺の所にまでそうめんが流れてこない。まだ時ではないということか」・・・6番謎の覆面選手
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「開始から10分が経ちました。1番アルフレド選手が依然、凄いスピードで流しそうめんを食していく。見た目の割りには大食漢だぁぁあ。2番ミーシャ選手は相変わらずマイペースに食しています。3番アレス選手も普通に食べています。4番モテール選手は相変わらず、そうめんに手をつけておりません。5番ケヴィン選手も1番アルフレド選手に負けじと食べるペースを速めている~。6番謎の覆面選手はようやく食べ始めることができたようだ~。今の所、1番アルフレド選手以外はスパートを誰もかけていない状況です」・・・寮イベント発起人
「アレスさん、何か作戦があるのでしょうか?」・・・レオノーレ
「分からないな。でもきっとあるだろう」・・・オズワルト
(1番アルフレドは友人で普段の様子から明らかに無理をしている。2番ミーシャも友人で普段からマイペースだからマークしなくていいだろう。4番モテールは今の所、試合を放棄しているようだ。5番ケヴィンは要注意だな。6番謎の覆面は誰だか分からないが、俺に対して並々ならぬ対抗意識を持っている。要マークだ)・・・アレス
俺の中である程度の他の選手に対する方針が固まる。俺は5番ケヴィンと6番謎の覆面に注意を払いながら、そうめんを普通に食べていく。
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「開始から20分が経ちました。おっと1番アルフレド選手、若干苦しくなってきたか食べるスピードが落ちてきました。」・・・寮イベント発起人
「くっ。きつくなってきた」・・・1番アルフレド選手
「俺の所にも普通に流れてくるようになってきたな。」・・・6番謎の覆面選手
「スパートをかける」・・・5番ケヴィン選手
「おっと!ケヴィン選手がスパートをかけた。これは速い。瞬く間に流しそうめんを食していく~。このまま、アルフレド選手を抜きトップに躍り出るか~?」・・・寮イベント発起人
(ケヴィンがスパートを切ったか。謎の覆面の出方がまだ分からない。どうする?俺!)・・・アレス
(まだ40分残っているものの、時間が経ち、他の選手がスパートを切ったら俺にそうめんが回ってくるとは限らない。勝負に出るか)・・・謎の覆面
「またまた今度はなんと6番謎の覆面選手がケヴィン選手がスパートを切ったのに合わせて勝負に出た~!勝負は予想もつかない大混戦になりそうです」・・・寮イベント発起人
(謎の覆面が勝負に出たか。俺は後ろにそうめんが流れないように妨害の意味を込めて勝負に打って出る)・・・アレス
「なんとなんと3番アレス選手が5番ケヴィン選手、6番謎の覆面選手がスパートを切ったのに合わせて勝負に出ました。これは姑息な嫌がらせか?2人に流れるそうめんが少なくなっていく~」・・・寮イベント発起人
「ちっ、アレスの奴」・・・5番ケヴィン選手
「よくもやってくれたな」・・・6番謎の覆面選手
「最初にスパートを切った1番アルフレド選手は衰え、今戦いは3番アレス選手、5番ケヴィン選手、6番謎の覆面選手の三つ巴の争いになったぁぁああ!!!」・・・寮イベント発起人
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「開始から既に30分が過ぎました。戦いは3番アレス選手、5番ケヴィン選手、6番謎の覆面選手を中心に推移しております。ここで、他の選手の紹介をしたいと思います。1番アルフレド選手は最初にスパートを切ったものの、流れてくるそうめんの余りの多さに徐々に衰えていき、そろそろギブアップになりそうです。2番ミーシャ選手は最初からマイペースにずっと食べており、一向にスピードはゆっくりで変わりません。胃袋は底なしか?4番モテール選手はあいかわらず、手鏡を持ち出して身だしなみをチェックしている様子。いったい何をしに来たんでしょうか~?はたまた、ここから逆転はあるのか~?」・・・寮イベント発起人
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こうして、流しそうめん大食い対決は大混戦模様に突入した。