第127話 仕事を終えて足取りも軽く家路につくよ
文字数 1,474文字
モンスター退治の戦利品である毛皮を持ってセザン村に戻ってきた僕らは、すぐさま次の一手に動き出す。
すでに多くの人員がセザン村に集められていた。
この人足を使って雪が降るまでにできる限りハンジー町までの街道を整備する計画が発動された。
指揮を執るのは予定通りルビレルだ。
と、同時にジョーのキャラバンをたのんですでに降 ることが決まっている第四中の村と、買収工作の対象に選ばれた第六先の村に食糧支援を送る。
残念ながらここでヤッチシ、ブロー、ノーシとお別れだ。
キャラバンの護衛として非常に優秀なことを今回実感したよ。
セザン村防衛はルビンスに指揮権を与えてガーブラ、ブンターにそれぞれ槍兵、カレンに弓兵の隊長を任せる。
こう考えるとつくづく人が足りない。
残せる兵力は五十に満たないし、名のある将が四人って大丈夫なんだろうか?
今回の襲撃が僕の仕業だってことは喧伝してしまったわけだから、報復の攻撃があっても不思議じゃないんだよな。
「それは大丈夫でしょう」
「なぜそう思うんだ? ベハッチ」
「まず第一に先立つものがなけりゃ、戦はできません。向こうからしたら一町三ヶ村から徴税した食料がなくなってるんですからね。ズラカルト男爵に納める分をどう工面するかがまず悩みどころってことですよ」
「しかも、反旗を翻されただけの今までと違い、手厚い護衛までつけた荷を奪われているとなればオルバック家としては体面的にもこの失態を知られるのは今の地位が危うくなりますから……」
ルビンスはベハッチに賛同しかけて言葉を濁した。
「対面的にも失地回復を計画するんじゃないか……だろ?」
「はい」
「そこも大丈夫ですよ」
と、ベハッチがうけあう。
「絶対に勝てると算段がつかなきゃ攻めてきやせんよ。これでもしまた敗けたとあっちゃ、それこそ目も当てられません」
「僕としてもオグマリー区を制圧するまではオルバック家にいて欲しい」
ズラカルト男爵の家臣にどれだけの人材がいるかはまぁ、ある程度情報を得ているけれど、代官が代わって戦略を一から練るのはホネだからね。
「ご心配なら、あっしがちっくと工作してきやしょうか?」
と、ヤッチシがいったので一も二もなくお願いした。
「俺の部下だぞ」
とか、ジョーがぼやいてたけど、この五年でずいぶん稼いでいるのを知っているぞ。
こっちに協力することでますます利益につながると踏んでいるらしく嫌な顔をしているようには見えない。
いや、むしろホクホク顔だ。
たぶんだけどこの手のいたずら的なことが元々好きなのもあるんじゃないかな?
「では、雪に閉ざされる前に少しでも先まで道を作って参りましょう」
数日の準備の後、ルビレルは街道整備にでた。
「じゃあ、俺たちも金にならない仕事をしてくるかな」
言い方よ。
「ジャン、まだ村へ戻らんのか? ワシは早くチャールズらと新しい魔法の研究を始めたくてうずうずしとるんじゃがの」
「ああ、判った。それじゃルビンス、あとは頼む」
「かしこまりました」
「あー……」
「なにか?」
「クレタによろしく」
「あ」
赤面するとか、初心 かよ。
ま、それでこそからかいがいがあるってもんだけどね。
「お館様こそ、サラ様によろしくお伝えください」
おおっと、やり返された!
ま、いいか。
僕は足取りも軽く(まあ、ホルスに乗ってるんだけど)家路につく。
この冬はサラとのんびり過ごすってこの間のデートで約束したからね。
春になったら本格的にオグマリー区攻略を開始する予定だから、それまでに英気を養うんだ。
そして、オグマリー区を制圧したら正式にサラと結婚だ!
すでに多くの人員がセザン村に集められていた。
この人足を使って雪が降るまでにできる限りハンジー町までの街道を整備する計画が発動された。
指揮を執るのは予定通りルビレルだ。
と、同時にジョーのキャラバンをたのんですでに
残念ながらここでヤッチシ、ブロー、ノーシとお別れだ。
キャラバンの護衛として非常に優秀なことを今回実感したよ。
セザン村防衛はルビンスに指揮権を与えてガーブラ、ブンターにそれぞれ槍兵、カレンに弓兵の隊長を任せる。
こう考えるとつくづく人が足りない。
残せる兵力は五十に満たないし、名のある将が四人って大丈夫なんだろうか?
今回の襲撃が僕の仕業だってことは喧伝してしまったわけだから、報復の攻撃があっても不思議じゃないんだよな。
「それは大丈夫でしょう」
「なぜそう思うんだ? ベハッチ」
「まず第一に先立つものがなけりゃ、戦はできません。向こうからしたら一町三ヶ村から徴税した食料がなくなってるんですからね。ズラカルト男爵に納める分をどう工面するかがまず悩みどころってことですよ」
「しかも、反旗を翻されただけの今までと違い、手厚い護衛までつけた荷を奪われているとなればオルバック家としては体面的にもこの失態を知られるのは今の地位が危うくなりますから……」
ルビンスはベハッチに賛同しかけて言葉を濁した。
「対面的にも失地回復を計画するんじゃないか……だろ?」
「はい」
「そこも大丈夫ですよ」
と、ベハッチがうけあう。
「絶対に勝てると算段がつかなきゃ攻めてきやせんよ。これでもしまた敗けたとあっちゃ、それこそ目も当てられません」
「僕としてもオグマリー区を制圧するまではオルバック家にいて欲しい」
ズラカルト男爵の家臣にどれだけの人材がいるかはまぁ、ある程度情報を得ているけれど、代官が代わって戦略を一から練るのはホネだからね。
「ご心配なら、あっしがちっくと工作してきやしょうか?」
と、ヤッチシがいったので一も二もなくお願いした。
「俺の部下だぞ」
とか、ジョーがぼやいてたけど、この五年でずいぶん稼いでいるのを知っているぞ。
こっちに協力することでますます利益につながると踏んでいるらしく嫌な顔をしているようには見えない。
いや、むしろホクホク顔だ。
たぶんだけどこの手のいたずら的なことが元々好きなのもあるんじゃないかな?
「では、雪に閉ざされる前に少しでも先まで道を作って参りましょう」
数日の準備の後、ルビレルは街道整備にでた。
「じゃあ、俺たちも金にならない仕事をしてくるかな」
言い方よ。
「ジャン、まだ村へ戻らんのか? ワシは早くチャールズらと新しい魔法の研究を始めたくてうずうずしとるんじゃがの」
「ああ、判った。それじゃルビンス、あとは頼む」
「かしこまりました」
「あー……」
「なにか?」
「クレタによろしく」
「あ」
赤面するとか、
ま、それでこそからかいがいがあるってもんだけどね。
「お館様こそ、サラ様によろしくお伝えください」
おおっと、やり返された!
ま、いいか。
僕は足取りも軽く(まあ、ホルスに乗ってるんだけど)家路につく。
この冬はサラとのんびり過ごすってこの間のデートで約束したからね。
春になったら本格的にオグマリー区攻略を開始する予定だから、それまでに英気を養うんだ。
そして、オグマリー区を制圧したら正式にサラと結婚だ!