神の左手小悪魔の右手

文字数 988文字

うふ……
悪戯小悪魔となったマリカくんが、私のルイ〇ジを引きずり出す。
勢いよくロケットスタートを切った私のカートは彼女にクッパ様。
あの……先生?
どうされましたか?
いや、あの……大丈夫ですか?
クランケが不安そうにしている。
そうとも、被術者とは手術に怯えるものだ。安心させてやらねば。
ご心配なく。
微笑んでみせる。
しかし、マスクをしているので口元の表情が伝わらない。
……。
そして、股間にマリカくんを従えたまま、施術台へと向かう。
ドリル。
はい、先生。
鉗子。
はい、先生。
……メス。
はい、先生。
ノコギリ。
はい、先生。
チューブ。
こう? 先生?
マリカくん。
はい、先生……?
舐め方ではなく、道具を渡して欲しいのだが。
優秀な外科医は術中何が起きても決して慌てない。
私の落ち着いた態度の指摘に、指示を取り違えていたマリカは羞恥を覚えて顔を真っ赤にする。
いっけない! あたしったら……!
うっかりは誰にでもあることだ、気にしなくていい。
……!
クランケが冗談じゃないという顔をするが、無視する。
私はプロフェッショナルだ。スタッフには必要な助言を必要なときにする。
いくら患者とはいえ、素人である以上、余計な口出しは無用だ。
先生、お道具です。
うむ。
マリカくんが隠し場所から取り出してきた道具を私に渡す。
家まで帰って持って来てくれたのかね?
はい。ついでに猫にエサあげてきちゃいました!
フッ……猫か。猫のように自由だな、キミは。
よく言われます!
ローターは?
え……今、つけてて……
かまわん、外したまえ。
はい……
……!
あ……あの、洗わなくても……?
かまわん、寄越したまえ。
恥ずかしくて目を合わせられないマリカくんが、手だけを伸ばして差し出してくれたそれを私は受け取る。
それではオペレーションを始める。大腿骨脳挫傷開胸手術フタマルヒトゴー
大腿骨脳挫傷開胸手術フタマルヒトゴー
周囲のスタッフたちが唱和し、太鼓を鳴らす。
ズンズンドッコ、ズンズンドッコ……♪
医療の神よ、我らのこの捧げものをどうかお受け取り下さい。
そして、この者の傷を癒し給え……!
せっ……先生っ!?
クランケが目を丸くしている。
だが、素人は黙ってろ。
うりゃあああーっ!
私は患部にお供え物をブチ込んだ。
ドクター・オフィスラブ Fin
※テキスト版は以下のサイトで読めます。

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短編集『タンバリンでできたオーロラ』ドクター・オフィスラブ
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登場人物紹介

ドクター・オフィスラブ。



小日向マリカ。



クッパ。



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