第39話 ちょっとだけ気ぃ悪い話

文字数 1,133文字

数年前から一気に白髪が増えました。
数か月に一度、カットとカラーをしてもらいに美容院に行っていました。

コロナ禍になり、外出する機会が減り、気がつけば一年半ほど美容院に行っていませんでした。
会う人に「髪伸びたね〜」と言われると「コロナロン毛」と言って笑っていました。コロナ禍を理由になんとなく行きそびれて伸びた髪の毛です。

でもそうなる前、最後にしてもらったカットとパーマがとてもよい感じで、伸びてもまとまりがよく、ほどよいウェーブがかかっているのです。そのおかげで一年半快適に過ごせました。

したことがなかったセルフカラーにも挑戦し、思ったよりきれいに染まることを知りました。美容院でのカラーと比べるとお値段の違いは数千円。これからはできるだけ自宅で染めようと思いました。めんどくさいですけど。

歳を重ねると、髪の毛が重要だなぁという気がしてきます。
新しい服を一着買うくらいなら髪を整えた方がよいのではと思います。

若作りしたい! と悪あがきをするつもりはないのですが、やっぱりできるだけすっきりとしていたいです。

そして約一年半ぶりに髪を切りに行ったのが夏。
伸びた髪をばっさり切るのがなんとなくもったいなくて、肩ぐらいのボブにパーマをかけてもらいました。
これが具合悪くて。
わたしにセット技術がないのだとは思うのですが、扱いにくかったです。

そして先月、バッサリショートにしました。すっきり〜。

その帰り際、担当の美容師さんに「写真撮ってもいいですか?」と聞かれ、パシャパシャと何枚か髪型の写真を撮りました。

よく美容院のウェブページにあるお客さんのヘアースタイル。そんな感じで載るのかなぁと思っていました。

なんとなく気になって数日後、美容院のウェブページを見ました。

わたしの写真はありません。

それから数日して、また見てみました。

わたしの写真はありません。

並んでいるお客さんたちの写真。日付を見るともうとっくにわたしが行った日を過ぎていました。

ああ、そうか。
わたしのは却下だったんだな。
そりゃそうだよね。
ウェブページに並ぶ素敵なヘアースタイルを眺めながら……。

別に是非載りたいわけではありません。

でも、なんとなく……。

「気ぃ悪いわ」

です。
このことばがぴったり(^_^;)

複雑な気持ちになったのでした。
わたしの中にある乙女心が微かに傷ついたようです。この歳になってまだそんなものを持っていることが滑稽ですね。

わたしがいつも使っている関西弁で

「腹立つわぁ」

でも

「いい加減にしいや」

でもなく

「気ぃ悪いわ」

です。

怒るほどのことでもないけどさぁ……という感じでしょうか。

方言のニュアンスって絶妙ですね。

もうひとつちょうどいいことばがありました。

「とほほ」

ちょっとみじめなことも笑って受けとめて。





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