番外編 某カフェにて
文字数 1,030文字
うわぁ……想像以上にプリンだ……。
うまそー！ 写メ写メーっと（パシャ）
こういうおしゃれカフェで昔ながらのプリンが食べられるなんて、ちょっと不思議な感じだね。赤いサクランボ付きなのも雰囲気があっていいなあ。
俺、あーゆー純喫茶っての？ ああいうとこ苦手だけど、甘いもんは好きだからさ。こういうふつーのカフェで食えるの嬉しーわ。
ってことでサクランボいただきー♪
僕は逆に純喫茶の方が落ち着くなあ。こういうイマドキカフェって、周りの人、みんなお洒落だし、家具もスタイリッシュすぎてリラックスできないし……。
っていうか、現に僕浮いてない？ それが心配だよ……。
大丈夫だよ、お前のダサさなんて俺以外誰も見てねーし。
ってか、コーヒーばっか飲んでねーで小晴も食うの手伝えよな。結構量あるんだからな、これ。
いや、僕はほんとひと口でいいよ。実ちゃん甘いもの好きなんだし、これくらい楽勝じゃない？
んなことねーよ。10代の時と比べたら、あんまがつがつ食えなくなってるんだよ。
うっそー、毎日のようにお肉料理食べてるのに？
肉は主食だから別！
甘いもんは同じようにいかねーの。
ほら、美味いからさ。
じゃあ、折角だから貰おうかな。
ほい、あーん。
あー……って、ちょっと！
何？
じ、自分で食べるから！ スプーンちょうだいよ！
ダメ〜。練習だぞ、小晴くーん。
そっ……な、何も準備してないよぉ！
ほらほらー大人しくあーんされないと……。
口移しで食わせるけど？
もっとダメ ！
人目を考えてよ！
ふーん？ じゃあ家でするか？
いつぞやのキス練習みたいにさ。
そ、それならまだ……。
家の場合は口移し限定だけど。
何その限定？！
ハードル上げないでよ！
どっちがいい？
カフェであーん♡と、家で口移し。
何でその2択なっ……むごっ？！
（実ちゃんにプリンを一口突っ込まれる）
美味いだろ？
……美味しい。
だろー？ いやー固めプリンサイコーだなっ！
……。
何だよ、口開けて。ほれ、もうひと口。
んぐ。
な、何だったの、2択の下りは……。
え？
口移ししたい？ まじでする？（ぱく）
もー、だから変なこと言わないでよ、どうせしないんだか……。
ん。（ずいっと顔を寄せる）
ヘェ？！？！
ちょ、目、閉じないで開けて！
やるって言ってないし、ここカフェ！ 人目！ 気にしてぇ！！
（ごくん）
ひゃっ！
ばーか。騙されてやんの。
えっ。
目しっかり閉じちゃってさ、何、お前、ちょっと期待してた？
っもー！！
ちょ、こらっ、俺のプリンどうす……あー！ 全部食うな！
