第27話「あいつら全員石化する魔法かけて大阪湾に沈めたるからな!」
文字数 2,129文字
あぁー、師匠。ウチはちょっと準備してからのがええと思うねんけど
またそっからか……。ウチいっつもな、こんなデッカい風呂敷持ち歩いてたんよ
そん中にはな、薬とか入れとってん。
そこに師匠から拝借したやつとかも入れとったんやけど
思い出せ。……まあその、それがね?その……師匠にもらった物も入ってた風呂敷が、その
実はあれ……全部ダメになってもうてん! ホンマにごm
ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーー器ひっろ!!!!!!
ちゃうで!? たしなめるトコそこちゃうで!?
研究の成果をパァにしたトコをたしなめ、いや怒るべきなんやで!?
壊されて怒るなら、最初から渡さなければいいだけの話だよ。
壊されても問題ないから渡したんだ
至極まともな事を言ってるように聞こえるけど、
絶対に、ぜーったいにおかしいからな!? 騙されたアカンで!?
師匠が何十年もかけて積み重ねてきた研究の成果なんや。
値段にしたらそれはもう超高額になる。それを全部壊したんや。
「国家予算失くしちゃった♪ てへぺろ♪」って言ってるのと等しい
カイカはこれがどれくらいおかしいか分かってへん。
証明したるからよう見ときや?
いやっ……いやっ! そういう訳ちゃうねん!
ただ、ここまで寛大やと後が怖いっていうか……
心の底では怒っていたとしても、明日には怒る理由すら忘れている。
君が心配する必要はない
それで。すぐ遺跡に向かわない理由をまだ聞いてないよ
ああそやった。せやからウチ、いま手元に何もないんや。
遺跡に行くんやったらちゃんと準備を整えてから行きたいねん
そ。やから今日は準備する日にして、出発は早くても明日でどう?
決まりやね。じゃあカイカいっこ頼まれてくれてもいい?
ウチと師匠はいまから薬を作ったりする。遺跡攻略のためにな。
せやから材料になるモノを外で用意してきてほしいんや
家を出たすぐそこにいくつか店があるわ。そこで大体買えると思う。
無かったらまぁ、なんとかして調達してきて欲しいんやけど(カキカキ)
(カキカキ)はいこれ、よろしく! 分からんかったら聞いてな!
龍の頸の玉、仏の御石の鉢、蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣、燕の子安貝。
かぐや姫かテメー
こんなのある訳ねーだろコラ。ちゃんとしたのをよこせ
ふーん、なんか色々変なのばっか混ざってるけど……。
これを買ってきたらいいんだな?
そう。よろしく。家から出るときと戻るとき見られたらアカンで?
さて、ウチらは来る戦に向けて準備しましょっかい。
まずは傷薬量産体制in師匠ハウスや!
1回やったことあんねん。そこそこ疲れるけど楽しいで
今回はやけに鋳型……力? 力を入れてるようだね。私を呼んだり、
薬を最大限準備したり。なぜそこまでする必要がある?
んー、まあ……1つは、これがカイカとの契約やからかな。
雇用関係は信頼が大事。1回請け負ったら全力でやり通さなアカンやろ
まあ、ウチのMPって実際大したことないもん。慎重に行かなやられる。
危ないかもって思ったら石橋をドンドコドンや
あれは師匠の研究成果もそうやけど、ウチの商売道具も含まれとる!
それを全部台無しにしおって~! あの辺の魔物絶対許さん!
あいつら全員石化する魔法かけて大阪湾に沈めたるからな!
ふふ。やっぱり1番大きいのは
私怨だったか。
いいんじゃないかな。その方が君らしくて
ギルドから報酬の2億貰っても大赤字や! 絶対この恨み晴らしたる!
さすが商売人 金にきたない
遺跡攻略の準備を始めた3人、出発はもうちょっと先になりそう。
次回、たぶんまだ準備してる。お楽しみに!
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