文字数 368文字



何も知らないような穏やかな
花の季節は僕らを惑わすのが
好きなようで掴めなくて
翻弄されては転がされる
右往左往しているうちに
いつのまにか太陽と近づいて
やきもち妬いた木々たちが
たくさん雲を作り出しては
泣いて喚いて暴れ出す
疲れ果てて眠りについた頃に
いつのまにか緑の季節に変わっていて
僕らは大声で叫びたくなるんだ
そんな目まぐるしい時間の中で
同じくらい目まぐるしく
僕らの周りも変わっていく
背伸びしてたのが落ち着いたり
足枷を脱ぎ捨てて自由になったり
伸ばせるだけ羽を伸ばしながら
旅立ったり絡まってみたり
知らない世界をこじ開けてゆく
誰かが通った道かもしれないけど
初めてみる景色は昨日にはないもの
あんなに大きく見えていたものが
なんだかひどく懐かしい
進む季節に置いていかれないように
そろそろ休めた羽をまた広げ
日差しに負けないように
僕らの旅は始まったばかりだから
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