セッション(5)

文字数 256文字




それは少し不思議な時間だった。

はじめてとは思えないほど、わたしたちの呼吸はぴたりと合った。


海翔くんのギターに、わたしのハーモニカがついていくわけでもない。

わたしの音を海翔くんが追いかけるわけでもない。


別々に流れていた水がいつの間にか一緒になり、川になっていくみたいに……

ふたつのものが、ただ自然に合わさり混じりあう。


音があふれ、部屋に満ちて……

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