ゆるしてね

文字数 283文字



ぼくはいつも
ほめたくて
きみを
ほめたくて
きみが与えてくれた交差は
一頂唯一の 時間だから

食事中のときも
電車に乗っているときも
映画を観ているときだって
どんなときでも
場所でも
きみがぼくの視界にある空間は
きみをほめる言葉だけで 容易に埋めつくされてしまえる

ぼくは
ほめたくて
きみを
ほめたくて

でもね

きみを
ほめたいぼく
見えていたのは 己の心だけ
ぼくは
きみをほめているぼくを
好きでいたかったんだね
あゝもしあの頃
その気づきを 得られていたならば
きみとぼく
まっすぐまっさらな道を
見つけることができただろうか

ぼくは
ほめたくて
きみを
ほめたくて
ぼくのひとりよがりは
世でもっとも 
酸鼻な授かりもの
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