ポテトチップスと酎ハイ【1】

文字数 417文字

時計を見ると終業時刻を15分過ぎている。今日はここまでにしようと決めてパソコンの電源を落とす。


会社を出て人の並ぶバス停に着くと加川くんがいた。

お疲れさま。加川くんもこのバス?
今日は姉の家に行くんです。
加川くんは私より10歳ほど若い。


私は、たぶん加川くんも、職場の親睦に積極的ではないので今まで個人的な話をしたことはなかった。

僕はいつも電車なんですけど、電車に乗っている時間がけっこう好きで。

読書したり動画を見たりのんびりできる時間だなぁと思って。

バスに揺られながら加川くんがぽつぽつ話す。
家ではのんびりできないの?
興味があるわけではないけど。
家でものんびりしたいですけど、料理したり掃除したり洗濯したり、いろいろしてる間にすぐ時間が経ってしまいます。
確かに。

電車に乗っている間は家事なんてできないもんね。

だからのんびりできるんだ。

私は窓の外に流れる夕暮れの街を見ていた。

バスの窓にぼんやり映る加川くんの横顔は、改めて見ると綺麗だった。

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