1985 ショウ君

文字数 617文字


公立の中学に行かなかった事もあり、
近所の子は最近どうしているのか全然わかりませんでした。

みんなもう大きくなって一緒に遊んだりする事もなくなってたし。

お父さんが亡くなってしまったショウ君も
ぱったりと姿を見かける事はなくなりました。

ほのかな恋心が生まれた相手でもあるので、
「最近見かけないなぁ」と、気にはなっていました。

ある時、夕飯を食べていた時にふと思い出し、
「そう言えば最近ショウ君見ないけど、どうしてるんだろうね?」
と家族に話題を振ってみました。

すると父から衝撃の一言が・・。

「あの家のせがれは今少年院に入ってるよ」

「は!?」

しょ、しょうねんいん・・・????

あのかっこよくて頼もしかったショウ君は、
私の知らない間にグレてしまっていたようでした。

お父さんが亡くなった後、お母さんは夜の仕事を始めたようで、
お父さんの生前は、品のある感じの普通のお母さんでしたが、
この頃のショウ君のお母さんは、少し濃いめのお化粧に、
派手めの色の服を着て出かける所を何度か見かけました。

お父さんのいなくなった後、
この家族はどんな生活をしていたのか・・。

いろんな意味で心が痛みました。

不良には二つのタイプがいると思うのです。

悪い事がかっこいい事とされていた時代、
むやみに人に迷惑をかけたり、
弱いものをいじめたりする不良は嫌いでした。

でも、理不尽な大人たちや世の中に対し、
自分をへし折られないように、
突っ張って反抗していた不良は私は嫌いにはなれませんでした。

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