38. 裏切りのCIA工作員
文字数 1,422文字
鉄製のドアが開いて、女性が入って来た。その顔を見て、カレンは、息を飲んだ。
ええ、末端の工作員をしていると、色々、悪い知り合いが出来てしまうんです。そういう知り合いの一人に、こう教えてやった。
「ブラックマン博士は、ドローンを使って多摩川周辺の別荘、山小屋、ロッジ、キャンプ場をシラミ潰しに当たってくる。私がアオイに変装しておびき寄せれば、博士は間違いなく乗ってくる」スイスにある私の口座に裏切りの報酬が振り込まれています。贅沢しすぎなければ、一生、食べるのに困らない金額です。南の島にでも行って、ノンビリ暮らします。