第13話 vsディザイア
文字数 1,944文字
「なんだお前は?」
「正義の味方だよ。」
正義の味方を名乗る少年は、目の前の男の肩から伸びる触手のようなものを切り落とした。
「白の宝珠の使い方にも慣れてきたよ。お前を倒して早く朝ごはんを食べるぞ!」
「……もしかして、お前が……」
「そこの君、待ちたまえ!」
少年の後ろには2人の男が立っている。
「我々はケーサツだ。最近この辺りで刀の様なものを振り回している子供がいるという通報を受けたから来てみればどうやら君らしいな。
怪物、妖怪、魔族の取り締まり及び制圧は我々の仕事なんだ。
さあ、坊や今回は見逃してあげるから後は私達に任せてお家へ帰りなさい。」
光一郎の頭にはハテナマークが浮かんだ。
なんで妖魔の事を知ってるんだ?また世界が変わったんだろうか?
次々と浮かんでくる疑問は銃声によってかき消された。
ケーサツを名乗る2人組はマシンガンをぶっ放して怪人を牽制 している。
「だ、だめだよお巡りさん!そんなんじゃ妖魔には勝てないよ!」
呼びかけられた男たちは怪人から目を離さず喋り出す。
「これはただの銃じゃ無いんだよ。相手の皮膚 に入り込むと内側から筋肉組織を溶かす特殊な銃弾を使ってるんだ!」
ミルベウスの持つ宝珠の力は科学技術の進歩の速度まで変えてしまうのか。
そんな銃を聞いたことがないのは僕がまだ小学生だからだろうか。
ケーサツの1人は手榴弾の栓を口で引き抜いて怪人に投げつけた。
破裂した手榴弾からは煙が吹き荒れたが、風向きのおかげで光一郎の方には流れてこなかった。
手榴弾を投げた男は、光一郎の方へ向き直って怪人を親指で差して言った。
「あれは睡眠薬入りでね。かりに爆発で死ななくとも、粉塵 を吸うと深い眠りにつくんだ。
あとは怪人を回収して任務は完了さ。」
「おいおい、余所見すんなよ。まだ仕事は終わってないぜ。」
「…………!お巡りさん危ない!!」
煙幕の中から伸び出た太い触手が、男の体を貫いた。
「う、、、嘘だろ…………??」
「くっ!だから余所見すんなっつったろうが!」
もう1人の男は触手に貫かれた男の方を一瞥 すると、直ぐに怪人の方を見た。
「特殊な銃弾が〜なんだって?」
「!!!」
怪人の体には数十の穴が空いている。
だが、溶けた皮膚がみるみるうちにその穴を埋めていく。
「たかだか銃ごときでこのディザイアを倒せると思ったのかあ?」
怪人がくいっと触手を揺らすと、刺された男はまるでミイラのようにシワシワになった
し、死人が出るなんて聞いてない!!
でも、僕が戦わないともう1人のお巡りさんも死んでしまう。
「ん〜、この弾を返しちゃうのはもったいないけど光一郎君の命 が欲しいから仕方ないよねえ。」
怪人は、撃ちこまれた銃弾全てを触手から発射した。
「うお!!」 「うわっ!」
銃弾はマシンガンで撃つよりも速く、より正確に飛んできた。
バリアを張ってなんとか銃弾は防いだけど、今までの妖魔とは何かが違う。
「つ、強い……」
その時、お巡りさんがマシンガンを落とした音が聞こえた。
「うう……」
「どうしたの?!」
「腕に弾丸が少しかすっちまった。左手が言う事をきかねえ。」
そう言いながらも銃を拾おうとする男に、光一郎は言った。
「お巡りさん、もう無理だよ!ここは僕に任せて逃げてよ!!」
「うるせえ!!」
光一郎はビクッとして体が硬直した。
ケーサツの男と目があった。
「これは大人の仕事だ!ガキは早く帰れ!」「おまえ邪魔だ。」
ケーサツの男は触手に投げられ、壁に思い切り打ち付けられた。
「光一郎く〜ん、俺は君が欲しいんだ。
君を手に入れることによってこの借り物の力がようやく俺のものになるんだよ。」
怪人はゆっくりと、だが確実に逃さないという風に光一郎へと詰め寄っていく。
「借り物だって……?」
「うん。そーそ、ある人に出会ったおかげでこーんなに素敵な力が手に入ったんだ。」
怪人は触手を束ねて巨大な2本の腕に変え、両側の建物をぶつけて砕き、光一郎を瓦礫で埋めた。
怪人は瓦礫を見つめながら1人呟いた。
「そー言えば魂って体のどこにあるんだろう。
…………、まあいっか。体を割いて内臓ほじくり出してそれでも見つからなかったら取り込んでしまえばいい。」
怪人が瓦礫を触手でどかそうとしたその時、
瓦礫の一部が爆発してそこから光一郎が出てきた。
背中にケーサツの男を負ぶっている。
「お前にその力を貸したやつのこと、教えてもらうぞ!」
「正義の味方だよ。」
正義の味方を名乗る少年は、目の前の男の肩から伸びる触手のようなものを切り落とした。
「白の宝珠の使い方にも慣れてきたよ。お前を倒して早く朝ごはんを食べるぞ!」
「……もしかして、お前が……」
「そこの君、待ちたまえ!」
少年の後ろには2人の男が立っている。
「我々はケーサツだ。最近この辺りで刀の様なものを振り回している子供がいるという通報を受けたから来てみればどうやら君らしいな。
怪物、妖怪、魔族の取り締まり及び制圧は我々の仕事なんだ。
さあ、坊や今回は見逃してあげるから後は私達に任せてお家へ帰りなさい。」
光一郎の頭にはハテナマークが浮かんだ。
なんで妖魔の事を知ってるんだ?また世界が変わったんだろうか?
次々と浮かんでくる疑問は銃声によってかき消された。
ケーサツを名乗る2人組はマシンガンをぶっ放して怪人を
「だ、だめだよお巡りさん!そんなんじゃ妖魔には勝てないよ!」
呼びかけられた男たちは怪人から目を離さず喋り出す。
「これはただの銃じゃ無いんだよ。相手の
ミルベウスの持つ宝珠の力は科学技術の進歩の速度まで変えてしまうのか。
そんな銃を聞いたことがないのは僕がまだ小学生だからだろうか。
ケーサツの1人は手榴弾の栓を口で引き抜いて怪人に投げつけた。
破裂した手榴弾からは煙が吹き荒れたが、風向きのおかげで光一郎の方には流れてこなかった。
手榴弾を投げた男は、光一郎の方へ向き直って怪人を親指で差して言った。
「あれは睡眠薬入りでね。かりに爆発で死ななくとも、
あとは怪人を回収して任務は完了さ。」
「おいおい、余所見すんなよ。まだ仕事は終わってないぜ。」
「…………!お巡りさん危ない!!」
煙幕の中から伸び出た太い触手が、男の体を貫いた。
「う、、、嘘だろ…………??」
「くっ!だから余所見すんなっつったろうが!」
もう1人の男は触手に貫かれた男の方を
「特殊な銃弾が〜なんだって?」
「!!!」
怪人の体には数十の穴が空いている。
だが、溶けた皮膚がみるみるうちにその穴を埋めていく。
「たかだか銃ごときでこのディザイアを倒せると思ったのかあ?」
怪人がくいっと触手を揺らすと、刺された男はまるでミイラのようにシワシワになった
し、死人が出るなんて聞いてない!!
でも、僕が戦わないともう1人のお巡りさんも死んでしまう。
「ん〜、この弾を返しちゃうのはもったいないけど光一郎君の
怪人は、撃ちこまれた銃弾全てを触手から発射した。
「うお!!」 「うわっ!」
銃弾はマシンガンで撃つよりも速く、より正確に飛んできた。
バリアを張ってなんとか銃弾は防いだけど、今までの妖魔とは何かが違う。
「つ、強い……」
その時、お巡りさんがマシンガンを落とした音が聞こえた。
「うう……」
「どうしたの?!」
「腕に弾丸が少しかすっちまった。左手が言う事をきかねえ。」
そう言いながらも銃を拾おうとする男に、光一郎は言った。
「お巡りさん、もう無理だよ!ここは僕に任せて逃げてよ!!」
「うるせえ!!」
光一郎はビクッとして体が硬直した。
ケーサツの男と目があった。
「これは大人の仕事だ!ガキは早く帰れ!」「おまえ邪魔だ。」
ケーサツの男は触手に投げられ、壁に思い切り打ち付けられた。
「光一郎く〜ん、俺は君が欲しいんだ。
君を手に入れることによってこの借り物の力がようやく俺のものになるんだよ。」
怪人はゆっくりと、だが確実に逃さないという風に光一郎へと詰め寄っていく。
「借り物だって……?」
「うん。そーそ、ある人に出会ったおかげでこーんなに素敵な力が手に入ったんだ。」
怪人は触手を束ねて巨大な2本の腕に変え、両側の建物をぶつけて砕き、光一郎を瓦礫で埋めた。
怪人は瓦礫を見つめながら1人呟いた。
「そー言えば魂って体のどこにあるんだろう。
…………、まあいっか。体を割いて内臓ほじくり出してそれでも見つからなかったら取り込んでしまえばいい。」
怪人が瓦礫を触手でどかそうとしたその時、
瓦礫の一部が爆発してそこから光一郎が出てきた。
背中にケーサツの男を負ぶっている。
「お前にその力を貸したやつのこと、教えてもらうぞ!」