第21話 魔の連休 小夜子
文字数 681文字
約束した時間になって史有と融は水晶玉を受け取りに神社に向かった。
暫くすると史有が走って戻って来た。水晶玉を抱えている。
玄関を開けると、大声で小夜子を呼んだ。
「サヨちゃん!大変だ!融さんが東藤家の奴らに捕まって人質にされた。あいつ等、銃を持っていた!」
小夜子は驚いた。
「銃?!」
「男がいて・・・融さんが水晶玉を受け取ろうとして、それが転がり落ちたんだ。わざとやったんだ。あの女が。それで慌てて屈んだところを頭に銃を突きつけられて・・・そうしたら、隠れていた奴らが出て来て・・・」
由瑞は苦い顔をした。
「だから言わんこっちゃない」
「で、サヨちゃんに一人ですぐに神社に来いって」
史有は言った。
「一人で?」
「一人じゃ危ない」由瑞は言った。
「私が付いて行きます」
里村は言った。
小夜子は首を振る。
「大丈夫だ。伊刀と夜刀を連れて行く。史有。もしもの時の為にトヨに奥の院で待てと伝えてくれ。そしてヨシには家へ来いと」
小夜子はそう言うと眠っている阿子の額に唇を寄せた。
「阿子。すぐに帰って来るから。大人しく待っていて」
阿子の頭を撫でる。
立ち尽くす史有の体を抱いて言った。
「大丈夫だ。すぐに戻って来る。阿子を見ていてくれ」
小夜子は言った。
史有は茫然とする。
小夜子は玄関から走り出した。
「サヨちゃん!」
史有はその後ろ姿に叫ぶ。
小夜子は振り返る。
史有は切羽詰まった目をして小夜子を見る。
「大丈夫だ。史有。すぐに帰って来るから。阿子と待っていて」
小夜子は繰り返した。
史有は小夜子を見詰めた。
「絶対だ!」
史有は言った。
「うん。大丈夫」
にっこりと笑ってそう言うと、小夜子は前を向いて走り出した。
暫くすると史有が走って戻って来た。水晶玉を抱えている。
玄関を開けると、大声で小夜子を呼んだ。
「サヨちゃん!大変だ!融さんが東藤家の奴らに捕まって人質にされた。あいつ等、銃を持っていた!」
小夜子は驚いた。
「銃?!」
「男がいて・・・融さんが水晶玉を受け取ろうとして、それが転がり落ちたんだ。わざとやったんだ。あの女が。それで慌てて屈んだところを頭に銃を突きつけられて・・・そうしたら、隠れていた奴らが出て来て・・・」
由瑞は苦い顔をした。
「だから言わんこっちゃない」
「で、サヨちゃんに一人ですぐに神社に来いって」
史有は言った。
「一人で?」
「一人じゃ危ない」由瑞は言った。
「私が付いて行きます」
里村は言った。
小夜子は首を振る。
「大丈夫だ。伊刀と夜刀を連れて行く。史有。もしもの時の為にトヨに奥の院で待てと伝えてくれ。そしてヨシには家へ来いと」
小夜子はそう言うと眠っている阿子の額に唇を寄せた。
「阿子。すぐに帰って来るから。大人しく待っていて」
阿子の頭を撫でる。
立ち尽くす史有の体を抱いて言った。
「大丈夫だ。すぐに戻って来る。阿子を見ていてくれ」
小夜子は言った。
史有は茫然とする。
小夜子は玄関から走り出した。
「サヨちゃん!」
史有はその後ろ姿に叫ぶ。
小夜子は振り返る。
史有は切羽詰まった目をして小夜子を見る。
「大丈夫だ。史有。すぐに帰って来るから。阿子と待っていて」
小夜子は繰り返した。
史有は小夜子を見詰めた。
「絶対だ!」
史有は言った。
「うん。大丈夫」
にっこりと笑ってそう言うと、小夜子は前を向いて走り出した。