三十九

文字数 151文字

 黒板を引っ掻いたような金切り声をあげて、女は少女の髪を引っ張った。ショッピングモールのアイス売場の前だ。
 娘らしい少女の足元にはソフトクリームが落ちていた。
 ヒステリックに叫(わめ)く母親の声が耳に入らないのか、娘はどこか遠くを見ている。と、突然こちらを向いた。
 わたしは、思わず目を逸らした。
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