第4幕・杏
文字数 1,385文字
日本人の結菜とロシア人のセルゲイの間に生まれた杏は,亜麻色の髪の乙女といった雰囲気を醸している。セルゲイと結菜はそれを同僚たちに自慢していたが,杏はそれを知らない。
杏は床に紙屑が厚く堆積する部屋のベットの上で,二度寝を楽しんでいた。二度寝の背徳感と何とも言えない微睡が杏は好きだった。まさに至福である。微睡みながら,杏は昨夜の出来事を思い出していた。
昨夜は,両親から貰ったクリスマスプレゼント・暴れん坊将軍のDVDボックスを心行くまで堪能していた。それでも,まだ半分以上エピソードが残っていると考えると,至福の時は甘美な時になった。
しかし,昨夜のお父さんは,大事なクリスマスイブに21時過ぎに帰宅するとは。最近,帰宅が遅く,仕事が大変なのは理解できるが,クリスマスイブは遅くとも19時には帰宅すると言うママと私との約束を破るとは,いい度胸じゃぁないかぁ。
そんな不届きものに対して,いつものごとく,ママの「成敗」が発動され,わたしは扇子で不届きものを叩き切ってやったわ。
でも,クリスマスプレゼントが新さん尽くしとは,我が父ながら分かっているじゃないか。ボックス1の新さんって若―い。年明け,貯金とお年玉でボックス2を買おう!できればボックス3も!!それと,視聴版の他に,保存版も買っちゃおうかなぁ。
この年末は16年の人生史上,最高だったと思う。
だって,中学1年の時に知って,夢中になっていた「超難解パズル」がこの年末についに解けたの。あまりにも嬉しかったので,世界に向けて叫びたくなった。なので,英語の論文を2日間不眠不休で書き上げて,プレプリントサイトに投稿したの。日本に育ったけど,英語に困らなかったのは,ネイティブではないけどロシア人のお父さんと英語でお仕事をしているママに感謝だわ。
そろそろ,私の論文に対して,検証チームが編成されているころだと思うと,ワクワクしてきて,ベットに顔を埋めてタオルケットにスリスリしてしまうの。もっとも,これをママに見られると…………。でも,この背徳感も何とも言えない至福のスパイスなの。
(´∀`*)ウフフ(´∀`*)ウフフ……Σ(゚∀゚ノ)ノキャーΣ(゚∀゚ノ)ノキャーΣ(゚∀゚ノ)ノキャー……(≧▽≦) (≧▽≦) (≧▽≦) (≧▽≦) (≧▽≦)…………………………(・∀・) ………………(;・∀・) …………………(;’∀’) ………………………。
背中にわたしを押しつぶさんばかりの強烈なプレッシャーを感じて,スリスリをやめた。そして,ゆっくり,ゆっくり,ゆっくりと振り向くと,そこには仁王様が立っていた…………。
「いつまで寝ているの杏!それとタオルケットで顔をふくのを止めなさいと言っているでしょ!!誰が,それを洗濯すると思っているの!!!それと部屋を掃除しなさいと言っているでしょ!!!!」
仁王様の余りの迫力に,表情が固まる私。
そして,ついツイートしてしまった。
「今日はクリスマスなのに,我が家には仁王様がいる」と…………。
ごっち~~ん!!
そして,仁王様のお仕置きを受けた私は「ごめんなさーぃ」と叫んだ。
キッチンにいたセルゲイは,オイラーに朝食を与えながら,いつも通りの「ごめんなさーぃ」を聞いた。そして,「いつも通りの穏やかな朝が来たな」とつぶやいて,神に感謝しながら微笑んだ。
杏は床に紙屑が厚く堆積する部屋のベットの上で,二度寝を楽しんでいた。二度寝の背徳感と何とも言えない微睡が杏は好きだった。まさに至福である。微睡みながら,杏は昨夜の出来事を思い出していた。
昨夜は,両親から貰ったクリスマスプレゼント・暴れん坊将軍のDVDボックスを心行くまで堪能していた。それでも,まだ半分以上エピソードが残っていると考えると,至福の時は甘美な時になった。
しかし,昨夜のお父さんは,大事なクリスマスイブに21時過ぎに帰宅するとは。最近,帰宅が遅く,仕事が大変なのは理解できるが,クリスマスイブは遅くとも19時には帰宅すると言うママと私との約束を破るとは,いい度胸じゃぁないかぁ。
そんな不届きものに対して,いつものごとく,ママの「成敗」が発動され,わたしは扇子で不届きものを叩き切ってやったわ。
でも,クリスマスプレゼントが新さん尽くしとは,我が父ながら分かっているじゃないか。ボックス1の新さんって若―い。年明け,貯金とお年玉でボックス2を買おう!できればボックス3も!!それと,視聴版の他に,保存版も買っちゃおうかなぁ。
この年末は16年の人生史上,最高だったと思う。
だって,中学1年の時に知って,夢中になっていた「超難解パズル」がこの年末についに解けたの。あまりにも嬉しかったので,世界に向けて叫びたくなった。なので,英語の論文を2日間不眠不休で書き上げて,プレプリントサイトに投稿したの。日本に育ったけど,英語に困らなかったのは,ネイティブではないけどロシア人のお父さんと英語でお仕事をしているママに感謝だわ。
そろそろ,私の論文に対して,検証チームが編成されているころだと思うと,ワクワクしてきて,ベットに顔を埋めてタオルケットにスリスリしてしまうの。もっとも,これをママに見られると…………。でも,この背徳感も何とも言えない至福のスパイスなの。
(´∀`*)ウフフ(´∀`*)ウフフ……Σ(゚∀゚ノ)ノキャーΣ(゚∀゚ノ)ノキャーΣ(゚∀゚ノ)ノキャー……(≧▽≦) (≧▽≦) (≧▽≦) (≧▽≦) (≧▽≦)…………………………(・∀・) ………………(;・∀・) …………………(;’∀’) ………………………。
背中にわたしを押しつぶさんばかりの強烈なプレッシャーを感じて,スリスリをやめた。そして,ゆっくり,ゆっくり,ゆっくりと振り向くと,そこには仁王様が立っていた…………。
「いつまで寝ているの杏!それとタオルケットで顔をふくのを止めなさいと言っているでしょ!!誰が,それを洗濯すると思っているの!!!それと部屋を掃除しなさいと言っているでしょ!!!!」
仁王様の余りの迫力に,表情が固まる私。
そして,ついツイートしてしまった。
「今日はクリスマスなのに,我が家には仁王様がいる」と…………。
ごっち~~ん!!
そして,仁王様のお仕置きを受けた私は「ごめんなさーぃ」と叫んだ。
キッチンにいたセルゲイは,オイラーに朝食を与えながら,いつも通りの「ごめんなさーぃ」を聞いた。そして,「いつも通りの穏やかな朝が来たな」とつぶやいて,神に感謝しながら微笑んだ。