01 顔合わせ
文字数 1,194文字
どうも皆さん！ ファーストヒロインかつファストヒロイン、陸上部の鉄砲玉こと、虎走（こばし）あぶみです！
作中って。え、なに、この場って、どんな視点で話せばいいの？
何でもありだそうです。
『今日のお前は〝虎走メタみ〟だ。陸上部員の名に恥じぬよう、全力で引っかき回して来い！ 読者がお前に期待しているのはただその一点だ！』
って言われてきましたし。
……あいつ、一体どんな立場でそんなこと言ってんのよ。
小説『風使い』におけるスーパーエグゼクティブ・プロデューサーらしいですよ。
先輩の夢は、私たちヒロインズでユニットを結成して、歌って踊れるアイドルをプロデュースすることらしいです。
アイドル戦国時代が過ぎ去ったこの日本に新たな風を吹かせて、ひと山当てたいんだそうですよ。
言いにくいし、言いたくないわね。
っていうか、そもそもそんな胡散臭いアイドルグループになんて、絶対に入らないけど。
……ねえ虎走さん、あいつと同じ部活にいて、その、大丈夫なの？
どういうことです？
私ならノイローゼになって退部してるわよ。
入部１０分で。
早い。
けど美山先輩も凄いじゃないですか。風見先輩から、お噂はかねがね聞いてますよ。
ちょっと、あいつ何か変なこと言ってないでしょうね!?
変なこと言うに決まってますよ。風見先輩なんですから。
う、うん？ まあそうだけど……虎走さん、慣れるっていうより、大事な感性が壊れちゃってない？
そうですかね。
『美山から爪の垢を煎じてもらって、たっぷり飲んでこい。ゴクゴク飲んでこい！』
もうその時点で気持ち悪いけど、いったいアイツがどんな意図でそんなこと言ってたのか、一応聞いてもいい？
『美山のＤＮＡを少しでも取り込めば、お前のそのＡカップも成長するだろう。それでも駄目なら僕が揉んでやる。休み時間のたびに揉みしだいてやる。廊下の隅のすぐに見つかりそうな暗がりで、お前が泣き崩れるまで揉んでやるからな。ぐえっへっへ』
ごめんなさい。３割くらい盛りました。
７割ホントなんだ……。
