第2話 少女を拾いました。

文字数 1,109文字

王都を出てから1ヶ月が経過した。
「覚悟はしていたけど・・・・・・、こんなに遠いとは・・・・・・」
もう何台も馬車を乗り継ぎ近くの町まではやって来たんだけど、そこからルージャル村に行く馬車は月に1回しか出ていないらしく仕方がないので徒歩で移動をしている。
荷物は既に送ってあるので身軽なんだけど流石に長旅の疲れは出てきている。
現在は森の中を歩いている、因みにそろそろ暗くなって来ている、
「今日の所は野宿するしかないか・・・・・・」
流石に今日中に着くのは無理と判断、森の中に入って開けた所にテントを張って野宿する事に決定した。
テントを張って火を起こして近くの町で買ったお弁当を食べる。
「念の為に食料を買い込んで来たけど・・・・・・、ちょっと余るかもなぁ」
腐らせるのは勿体無いし、どうしようかと考えていた時だ。
草むらからガサッという音がした。
思わず身構える。
身構えていても戦闘能力は無いからどうしようもないんだけど。
足音がしてこっちに近づいてくる。
そしてその姿を見た僕は固まった。
「こ、子供?」
そこにいたのは小さい女の子だった。
見た目6歳ぐらいで銀色の長い髪で可愛い。
服はボロボロで体も汚れている。
「え~と!・・・・・・、僕の言葉はわかる?」
女の子はコクりと頷いた。
「何で君は此処にいるの? 親は一緒じゃないの?」
そう言うと女の子はブンブンと首を横に降った。
わからない、という事は捨て子か・・・・・・。
しかし、こんな森に捨てる物だろうか?
もしかしたら訳ありかもしれない。
と、急にグーという音がなった。
「もしかしてお腹空いてる?」
女は恥ずかしそうに頷いた。
「こっちおいで。一緒に食べよう」
女の子はパァッと明るい顔になり僕の側にやって来た。
僕はパンを女の子にあげたら女の子は嬉しそうに食べた。
ひょっとしたら何にも食べていなかったかもしれない。
「美味しい?」
女の子は何度も頷き笑顔を見せる。
「ところで名前は?」
「・・・・・・レダ」
あ、喋れるのか。
「レダちゃんか、良い名前だね」
「うん! 私も気に入ってるのっ!」
「その名前は親がつけてくれたの?」
「うぅん、知らないおじさんがつけてくれたの。私、お父さんもお母さんも知らないの」
「そうか・・・・・・、その知らないおじさんは?」
「何処か行っちゃった・・・・・・」
「そうか、行く場所が無かったら一緒に来ないか?」
「・・・・・・良いの?」
「あぁ、独り身だから問題ないよ」
そう言うとレダは笑顔になった。
こうして俺はレダを引き取る事にした。
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