第15話 美しさはどんな才能にも勝る
文字数 1,248文字
土曜日。
染谷家の子供たちは仲良く買い物に来ていた。
妹に揶揄されるのと、他人の男――しかも年下に言われるのでは、まったくもって感じ方が違った。
生意気フィルターがかかって、晴朗太は素直に聞けなかった。
モノは言いようである。
知らない後輩に言われると、とにかく駄目だった。
素直に聞く耳すら持てない。
一方、純朗は真面目に耳を傾けている様子。
そんな弟の態度が腹立たしくて、兄はつい八つ当たりをしてしまう。
しかし、弟は大人みたいに流す。
それがまた癇に障って、
晴朗太は大人げない態度を取る。
訊いてもいないのに、恋々子はうんちくを語る。
なんの説明もいらない。言語の通じない相手にでもわかる。
一目見ただけで、非凡であると。
一目見ただけで、非凡であると。
事実、焦ってお金と時間を費やしている晴朗太には何も言い返せなかった。