文字数 329文字



季節外れの台風の忘れていった風が
時々何かを運んでくる
ほんの少し生温い空気を纏い
空は騒がしい青が広がる

あなたが見てる窓の向こうに今何が見えてるの
わたしはそんなあなたの後ろ姿
愛おしく 愛おしく
でも伝えられないままの言葉飲み込んで
気付かれない様に眺めてた

あなたはこの街を去りゆき新しいドアを開けて何処かへ旅立つのでしょう
そして渡り鳥の様に時折 傷つきながらも
羽を休めにくるのでしょう
わたしはいつまでもいつまでもこの街で生きていく
変わりゆく時代から取り残されたとしてもこのスピードが心地いいから
カカシのようにただひたすら渡り鳥の群れを眺めてあなたの帰りを待つ
望まれもしないけど
変わらない事が安らぎなのだとしたら
どんな形であっても
あなたがまた新しい明日へ旅立てるように
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