第四幕(6)

文字数 230文字

急ごう。通報された。
誰に?!
わからない。村人の誰かだ。秘密を背負うのに耐えきれなくなったんだろう、気の毒なことをした。とにかく、こっちだ。
ちょっと待って――
じっとして!
彼は僕を後ろからかかえこみ、腰を落として雪を蹴った。僕らは急斜面を弾丸のように滑り降り、林へ突っ込んだ、うわああ! 林の木を右に左によけながら、僕らは飛んで、飛んで、あっというまに川原に着き、もんどりうって雪の上に倒れた。
スキーを捨てろ。こっちだ。
川岸にボートが一艘[そう]、つながれていた。
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登場人物紹介

ゲンリー・アイ

地球出身。惑星同盟《エキュメン》の特使。惑星《冬》ことゲセンに単身降り立ち、カーハイド帝国の皇帝に開国をうながす。長身。性格は誠実で直情的。推定される容貌はアフリカ系。男性。

セレム・ハース・レム・イル・エストラヴェン


ゲセン出身。帝国カーハイドにおける《王の耳》(宰相に相当する最高実力者)。ゲンリーの使命の重要性をただ一人理解する。やや小柄(ゲセン人の平均的体躯)。性格は慎重かつ大胆。推定される容貌はアジアあるいはエスキモー系。中性(両性具有)。

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