第10話 ありがとう。オセロニア
文字数 2,151文字
私はオセロニアの世界に感謝をしている。私に最高の彼氏と出会わせてくれた。それにデスデーモナと話ができた。こんな経験は、今までにしたことはないし、これからもないだろう。
オ○ロ夫婦との別れが近いのを薄々、感じていた。それでも、知らないふりをして、楽しく過ごすことにした。いつまで一緒にいられるか分からないからだ。それはすぐにオ○ロ夫婦に気づかれた。
「デスデーモナ。これからも楽しく過ごそうよ」
「そうね。でも、私には何となくわかるのよ。また転生をする時が近づいていることをね」
「今度は人に転生ができるといいわね」
「ウフフ、そうね。もう猫は飽きたわ」
髪の毛をいじっていた。
「あなたと出会えてよかったわ。後は彼と幸せになるのよ。それだけが心残りね」
「うん、約束するわ。彼と仲のいい家庭を築いてみせる」
デスデーモナは笑顔で、うなずいていた。
― それから三年後。私と彼は結婚をしていた。
ある日、別れと喜びの両方を経験する日があった。その別れの方、オ○ロ夫婦との別れ。
「泣かないで。別れが辛くなるわ」
そう言うデスデーモナも泣いていた。
私は涙が止まらない。いよいよ、別れの時。デスデーモナが最期にしゃべった。
「ありがとう。あなた達のおかげで楽しかったわ。オ○ロにも会うことができたしね。あなた達には感謝をしているわ。末長く幸せにね。じゃあね」
「今度こそ、二人で幸せになるのよ」
私は彼らにかける言葉はそれが精一杯だった。涙が止まらない。彼は私の肩をそっと抱き寄せた。彼らは光の線となり、やがて消えた。
(デスデーモナ、今までありがとう)
旅立っていった空を眺めていた。
「ついに旅立って行ったわね」
「うん。今は少し、さびしく思うよ」
「・・・そんなことはないわよ。忙しくなるのは、これからなんだから。実はね、私のお腹には新しい命が宿っているの。三ヶ月ですって」
初耳だった彼は喜んだ。私の手を取り、泣いた。
「ちょっと、あなた。泣きすぎよ。別にあなたが産むわけじゃないのよ。バカね」
私はそう言ったが、彼は泣かずにはいれなかった。
(それはそうかもね)
彼は父親となる。こんなに嬉しいことはないみたい。
(もう簡単に泣けないわよ)
でも、最期に今日くらいは、許してあげる。彼は大泣きした。
― さらに七ヶ月後。
私は無事、出産。母子ともに元気。双子の兄妹。(まるでルシファーとミカエルね)
私は男の子に「朝陽」と名付けた。彼は女の子に「朋子」と名付けた。
「太陽」の子供だから「朝陽」。彼は私の名前「月」の倍、素敵な女性に育ってほしいと願って、月を二つ、「朋子」とした。
後で自分を苦しめることになろうとは、思ってもいなかったのね。
とある夜。私は退院して、子供達と一緒に帰ってきた。その日、子供達と一緒に寝ていた。その深夜、彼は何かの気配で目が覚めた。白い姿に彼は驚いた。
「相棒、何をしているんだ?」
恐る恐る彼は布団から顔をだした。そこには、なつかしい顔。オ○ロ夫婦が枕元に立っていた。思いがけない再会。
「ど、どうしてここにいるんだよ。ビックリするじゃないか」
「スマン。驚かすつもりはなかったんだ」
「でも、どうして・・・」
「エンマ様に頼んで、転生をさせてもらったんだ」
「うん。よかったね」
「お前達の子供を見守ることになった」
「えっ、何で?」
「俺は男の子の守護霊。デスデーモナは女の子の守護霊へと転生したんだ。これでまた楽しく過ごせるな。よろしくな相棒」
「いやいや、なんでだよ」
少し、声が大きかった。私は怒った。
「あなた、もう。何時だと思っているのよ。いい加減にしなさい」
「ゴメン。オ○ロが現れたものだから」
「そんなわけがないでしょう。私達の前で消えたじゃない。バカなことを言っていないで寝なさい。おやすみなさい」
布団の中で寝ようとした。
「『月』は相変わらずね。『太陽』は、大変よね」
デスデーモナはクスクスと笑っていた。聞き覚えのある声にガバッと起きた。辺りをキョロキョロして、発見した。
「なんで、あなたがいるのよ。デスデーモナ」
「なんでって言われてもねー。転生をしただけよ」
「今度は何になったのよ」
「守護霊よ。あなたの子供のね。だから、これからもよろしくね」
「えっ、一緒に暮らすということ?」
「そうなるかしら。なんせ、守護霊だから。あなたの子供から離れられないからね」
「そ、そうなの。よろしくね。おやすみなさい」
寝た。
(それにしても、エンマ様。適当よね)
他にも子供はいるのに、なんで私の子供なの? 普通の子供として育てるつもりよ。
(まー、ここで言っても仕方がないわよね。おやすみ)
この時は知らなかった。私の子供達に特異点の力が隠されているなんてことを想像もつかなかった。
私はそれから仕事に子育てに奮闘した。分からないことばかりだった。
それでも、子供のかわいい笑顔が私をいやしてくれる。また「頑張ろう」と思わせてくれる。
私は今、幸せです。
(この幸せが続きますように)
オ○ロ夫婦との別れが近いのを薄々、感じていた。それでも、知らないふりをして、楽しく過ごすことにした。いつまで一緒にいられるか分からないからだ。それはすぐにオ○ロ夫婦に気づかれた。
「デスデーモナ。これからも楽しく過ごそうよ」
「そうね。でも、私には何となくわかるのよ。また転生をする時が近づいていることをね」
「今度は人に転生ができるといいわね」
「ウフフ、そうね。もう猫は飽きたわ」
髪の毛をいじっていた。
「あなたと出会えてよかったわ。後は彼と幸せになるのよ。それだけが心残りね」
「うん、約束するわ。彼と仲のいい家庭を築いてみせる」
デスデーモナは笑顔で、うなずいていた。
― それから三年後。私と彼は結婚をしていた。
ある日、別れと喜びの両方を経験する日があった。その別れの方、オ○ロ夫婦との別れ。
「泣かないで。別れが辛くなるわ」
そう言うデスデーモナも泣いていた。
私は涙が止まらない。いよいよ、別れの時。デスデーモナが最期にしゃべった。
「ありがとう。あなた達のおかげで楽しかったわ。オ○ロにも会うことができたしね。あなた達には感謝をしているわ。末長く幸せにね。じゃあね」
「今度こそ、二人で幸せになるのよ」
私は彼らにかける言葉はそれが精一杯だった。涙が止まらない。彼は私の肩をそっと抱き寄せた。彼らは光の線となり、やがて消えた。
(デスデーモナ、今までありがとう)
旅立っていった空を眺めていた。
「ついに旅立って行ったわね」
「うん。今は少し、さびしく思うよ」
「・・・そんなことはないわよ。忙しくなるのは、これからなんだから。実はね、私のお腹には新しい命が宿っているの。三ヶ月ですって」
初耳だった彼は喜んだ。私の手を取り、泣いた。
「ちょっと、あなた。泣きすぎよ。別にあなたが産むわけじゃないのよ。バカね」
私はそう言ったが、彼は泣かずにはいれなかった。
(それはそうかもね)
彼は父親となる。こんなに嬉しいことはないみたい。
(もう簡単に泣けないわよ)
でも、最期に今日くらいは、許してあげる。彼は大泣きした。
― さらに七ヶ月後。
私は無事、出産。母子ともに元気。双子の兄妹。(まるでルシファーとミカエルね)
私は男の子に「朝陽」と名付けた。彼は女の子に「朋子」と名付けた。
「太陽」の子供だから「朝陽」。彼は私の名前「月」の倍、素敵な女性に育ってほしいと願って、月を二つ、「朋子」とした。
後で自分を苦しめることになろうとは、思ってもいなかったのね。
とある夜。私は退院して、子供達と一緒に帰ってきた。その日、子供達と一緒に寝ていた。その深夜、彼は何かの気配で目が覚めた。白い姿に彼は驚いた。
「相棒、何をしているんだ?」
恐る恐る彼は布団から顔をだした。そこには、なつかしい顔。オ○ロ夫婦が枕元に立っていた。思いがけない再会。
「ど、どうしてここにいるんだよ。ビックリするじゃないか」
「スマン。驚かすつもりはなかったんだ」
「でも、どうして・・・」
「エンマ様に頼んで、転生をさせてもらったんだ」
「うん。よかったね」
「お前達の子供を見守ることになった」
「えっ、何で?」
「俺は男の子の守護霊。デスデーモナは女の子の守護霊へと転生したんだ。これでまた楽しく過ごせるな。よろしくな相棒」
「いやいや、なんでだよ」
少し、声が大きかった。私は怒った。
「あなた、もう。何時だと思っているのよ。いい加減にしなさい」
「ゴメン。オ○ロが現れたものだから」
「そんなわけがないでしょう。私達の前で消えたじゃない。バカなことを言っていないで寝なさい。おやすみなさい」
布団の中で寝ようとした。
「『月』は相変わらずね。『太陽』は、大変よね」
デスデーモナはクスクスと笑っていた。聞き覚えのある声にガバッと起きた。辺りをキョロキョロして、発見した。
「なんで、あなたがいるのよ。デスデーモナ」
「なんでって言われてもねー。転生をしただけよ」
「今度は何になったのよ」
「守護霊よ。あなたの子供のね。だから、これからもよろしくね」
「えっ、一緒に暮らすということ?」
「そうなるかしら。なんせ、守護霊だから。あなたの子供から離れられないからね」
「そ、そうなの。よろしくね。おやすみなさい」
寝た。
(それにしても、エンマ様。適当よね)
他にも子供はいるのに、なんで私の子供なの? 普通の子供として育てるつもりよ。
(まー、ここで言っても仕方がないわよね。おやすみ)
この時は知らなかった。私の子供達に特異点の力が隠されているなんてことを想像もつかなかった。
私はそれから仕事に子育てに奮闘した。分からないことばかりだった。
それでも、子供のかわいい笑顔が私をいやしてくれる。また「頑張ろう」と思わせてくれる。
私は今、幸せです。
(この幸せが続きますように)