作者から

文字数 1,245文字

 みなさん、お疲れさまです。
 お世話になっております、朽木桜斎です。

 本作『桜の朽木に虫の這うこと』は、わたしの人生経験や精神面を惜しみなく投影しただけに、ライフワークと呼んで差し支えのない小説となりました。

 ウェブ投稿サイトさま上で作品を掲載しはじめてから、五年程度が経過しているはずですが、本作の構想自体はわたしが中学生のときでしたから、足かけでいうと、どのくらいになるのでしょうか。

 とにもかくにも、完結させることができました。

 十万文字台の小説を完成させることができたのは、これが初めてですから、感慨もひとしおです。

 すべては、支えてくださったみなさんのおかげです。

 ここに深く、感謝の意を表明する次第です。

 本作はここまでですが、これはまだ、シリーズの第一作という形になります。

 続く第二作では、主人公であるウツロの高校生活をとおして、新しい展開を導入することになると思います。

 少しだけ触れると、まず、第一作のラストで生存が確認された、万城目日和(まきめ・ひより)が登場します。

 果たしてそのとき、ウツロは何を思い、どう動くのか。

 次に、星川雅(ほしかわ・みやび)の母・皐月(さつき)の存在です。

 第一作では間接的に登場しただけですが、シリーズ全体の大きなキー・パーソンの一人となります。

 また、雅のライバルも登場する予定です。

 さらに、南柾樹(みなみ・まさき)にもライバルがいて、そちらも登場する予定です。

 やはり間接的に登場した、魔女・ディオティマも暗躍します。

 真田虎太郎(さなだ・こたろう)は、シリーズのオアシスとなりそうです。

 シリーズものの醍醐味である『ラスボス』の存在ですが、物語はそこへ向け、集約していく形になります。

 しかし、いちばん気になるのは、やはりというか、ウツロと真田龍子(さなだ・りょうこ)の愛の行方ではないでしょうか。

 ここがある意味、もっとも手の抜けない部分かもしれません(汗)

 さしあたって公約どおり、公募新人賞への応募に向けた作業をおこなうつもりです。

 それが終わったら、いままで保留にしていた小説やエッセイなどをまとめ、かつ第二作の発表のための準備をして、予定では来年の春頃に、投稿がかなうかと思います。

 最後に改めまして、本作の執筆を支えてくれた多くのみなさんに、厚く御礼申し上げます。

 そしてなにより、わたしに小説を書くきっかけを与えてくれた存在、わたしに作文という武器を与えてくれた存在、わたしに生きる希望を与えてくれた存在に、心からの感謝の意を表明いたします。

 長くなってしまい、申し訳ありません。

 みなさん、よろしければ、またわれらが『毒虫』、ウツロが懸命に、必死で這うさまを、ぜひご覧ください。

 最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
 それでは失礼いたします。

2019年9月20日(金)
朽木桜斎 拝
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登場人物紹介

ウツロ(男性、16歳、身長175cm)


孤児だったが、似嵐鏡月に拾われ、アクタとともに育てられる。

アクタのことは兄貴分として、似嵐鏡月のことは師として慕っている。


トラウマが強く、「自分は人間ではない、毒虫のような存在だ」という、自己否定の衝動に苦しめられている。

それに向き合うため、哲学書や思想書を愛読している。

好きな思想家はトマス・ホッブズ。


剣術・料理を得意とする。

アクタ(男性、16歳、身長185cm)


ウツロと同じく孤児であり、似嵐鏡月の手で育てられた。

ウツロのことは、よき弟分としてかわいがっている。


明るく、気さくで、考えることは面倒な性格。

自分を責めるウツロのことを気にかけ、何かにつけて助け舟を出す。


力が強く、体力があることから、体術に秀でている。

似嵐鏡月(にがらし・きょうげつ、男性、30代後半、身長190cm)


孤児だったウツロとアクタを拾い上げ、隠れ里で育てた。

暗殺を稼業とする殺し屋であり、ウツロとアクタを後継者にするべく、その技術を伝授している。

マルエージング鋼製の大業物『黒彼岸』を愛刀とする。

真田龍子(さなだ・りょうこ、女性、黒帝高校1年生)


傷ついたウツロを救出し、献身的に看護する。

性格は明るく、勉強もできるが、運動のほうが得意。


仏のような慈愛・慈悲の心を持つが、それは過去のトラウマから派生している。

ウツロに対し、特別な感情を抱く。


真田虎太郎は実弟。

星川雅(ほしかわ・みやび、女性、黒帝高校1年生)


精神科医を両親に持ち、鋭い観察眼を会得している。

気は強いが、冷静沈着。

しかし内面には暗部を隠し持っていて、それを悟られないよう、気を使っている。

ウツロに『アルトラ』の存在を教える。

南柾樹(みなみ・まさき、男性、黒帝高校1年生)


ウツロには何かにつけて、きつく当たるが、それは彼が、ウツロに自分自身を投影してのことだった。

料理が得意。

真田虎太郎(さなだ・こたろう、男性、黒帝中学校1年生)


真田龍子の実弟。

頭脳明晰だが、考えすぎてしまう癖がある。


音楽をこよなく愛する。

好きな作曲家はグスタフ・マーラー。

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