危機感02
文字数 1,639文字
全くもって穏やかじゃないな。と言うか、憑依されて殺されるんじゃ被害者はたまったもんじゃないだろ。
と言うか、前の世界で良くやっていた怖い話なんか、それこそ話にならない。
この世界での憑依と前の世界での憑依の格差が激しすぎる。
「理不尽にも程があるよな」
俺はこの世界で生まれ変わりたくないと言う意味を本当の意味で分かった気がした。
“この世界とは不平等という名の理不尽で出来ている”なんて言葉を、よく向こうの世界で聞いてきた。もしかすると自分でも言ったかもしれない。しかしこれはなんて事は無い、ただのご都合主義の言葉だ。
だが、この世界ではどうだ。それこそその言葉が似合いすぎている。寧ろ、この世界の為に有ると言っても過言じゃあない。
「理不尽かあ、そうかもしれないなあ」
ラハルは、すんなりとその言葉を認める。
いや、神様なら少しは反論するとも思ってはいた。が本当に二言返事で正直ビックリもした。
だって神様なら、抗弁を垂れそうじゃん。
「じゃあ、なんだ? その柱を護っている奴をぶっ倒して、天界への導を復活させるのが俺達の役目……なのか?」
「いや、違うよ?」
「んんんん?!」
え? なに、むっちゃ恥ずかしいんだけど。俺、多分結構いい顔してたよ。あたかも主役みたいなさ。ちょっとどーゆことよ!
と言うか、早々と否定するなよ。間があかなすぎて俺の脳無い……じゃなくて。脳内プログラムが追いつかなかったよ。
「だって、多分倒せないし。かなり強いっぽい。と言うか、モンスター自体が俺ですら、畏怖しちゃうもん」
「え? そんなに??」
「うん、そんなになんだよね。だから、お前さん達は成る可く人々を救ってあげて欲しいんだよ。まだ浸透はしきっていないけど、異世界人ッて存在は広まりつつあるんだ」
俺はその言葉に思わず目を見開き大いに頷く。
そのさり気なくラハルが言った言葉にはそれだけの価値がある。と俺は思ったからこそだ。
ラノベやゲームなら召喚した側等は分かっているが、街の人々は知らない。と言うイベント的な事も起こったりする。が、それが無いと言うのは新しい感じがしていい。
まぁ、よく良く考えてみたら俺はタダの外国人みたいなもんだものな。
「取り敢えずは、あの街……“ノクタス”を目指すといいよ」
と、指をさした先は俺が一番初めに此処に来て確認した街らしき場所。
「あそこは、転移先が此処と言うだけあって一番浸透しているしね。その甲斐があってか、あそこには“ギルド”もある。街に行ったら顔をだせばきっと、色々教えてくれるさ!」
──ギルド。そうかそこに所属して、モンスター討伐とかするんだな! たまらん!
「なる程っ! じゃあ、早く速く、セカセカとその場所に連れていってくれ!! ギルドに入ってモンスターを討伐してレベル上げまくってやる!!」
「いや、真道陸君? あの、さ? は」
「大丈夫です」
「いや、話を聞いた方が何かと」
「いや、大丈夫です」
俺の高ぶった感情はもう、そんな前話を良しとしていない。と言うか、モンスターは危ないとか、そう言った事だろあと言いたいのは。
そんな事はギルドで聞くとして!
はやく!!
俺は堪らずにラハルを見つめると頭を掻きながら頷いた。
──キタキタキタキタ!!
「じゃあ、街の少し離れた場所に転移するから。街中だとパニックなっちゃうし」
「りょーかいした!!」
ラハルは俺の言葉を聞き終えると、祭壇に手を翳した。
すると、次は懐中電灯ではなく正真正銘、祭壇が歪な形を成した淡く赤く光。それは燦然足るもの。
「うわぁっ……な……ッ!!」
次に襲った感覚は体と意識が離れていくかんじ……いや、引き剥がされると言う感覚だろうか。
そのよく分からない感覚に、しかし俺は恐怖では無く興奮していた。
と言うか、前の世界で良くやっていた怖い話なんか、それこそ話にならない。
この世界での憑依と前の世界での憑依の格差が激しすぎる。
「理不尽にも程があるよな」
俺はこの世界で生まれ変わりたくないと言う意味を本当の意味で分かった気がした。
“この世界とは不平等という名の理不尽で出来ている”なんて言葉を、よく向こうの世界で聞いてきた。もしかすると自分でも言ったかもしれない。しかしこれはなんて事は無い、ただのご都合主義の言葉だ。
だが、この世界ではどうだ。それこそその言葉が似合いすぎている。寧ろ、この世界の為に有ると言っても過言じゃあない。
「理不尽かあ、そうかもしれないなあ」
ラハルは、すんなりとその言葉を認める。
いや、神様なら少しは反論するとも思ってはいた。が本当に二言返事で正直ビックリもした。
だって神様なら、抗弁を垂れそうじゃん。
「じゃあ、なんだ? その柱を護っている奴をぶっ倒して、天界への導を復活させるのが俺達の役目……なのか?」
「いや、違うよ?」
「んんんん?!」
え? なに、むっちゃ恥ずかしいんだけど。俺、多分結構いい顔してたよ。あたかも主役みたいなさ。ちょっとどーゆことよ!
と言うか、早々と否定するなよ。間があかなすぎて俺の脳無い……じゃなくて。脳内プログラムが追いつかなかったよ。
「だって、多分倒せないし。かなり強いっぽい。と言うか、モンスター自体が俺ですら、畏怖しちゃうもん」
「え? そんなに??」
「うん、そんなになんだよね。だから、お前さん達は成る可く人々を救ってあげて欲しいんだよ。まだ浸透はしきっていないけど、異世界人ッて存在は広まりつつあるんだ」
俺はその言葉に思わず目を見開き大いに頷く。
そのさり気なくラハルが言った言葉にはそれだけの価値がある。と俺は思ったからこそだ。
ラノベやゲームなら召喚した側等は分かっているが、街の人々は知らない。と言うイベント的な事も起こったりする。が、それが無いと言うのは新しい感じがしていい。
まぁ、よく良く考えてみたら俺はタダの外国人みたいなもんだものな。
「取り敢えずは、あの街……“ノクタス”を目指すといいよ」
と、指をさした先は俺が一番初めに此処に来て確認した街らしき場所。
「あそこは、転移先が此処と言うだけあって一番浸透しているしね。その甲斐があってか、あそこには“ギルド”もある。街に行ったら顔をだせばきっと、色々教えてくれるさ!」
──ギルド。そうかそこに所属して、モンスター討伐とかするんだな! たまらん!
「なる程っ! じゃあ、早く速く、セカセカとその場所に連れていってくれ!! ギルドに入ってモンスターを討伐してレベル上げまくってやる!!」
「いや、真道陸君? あの、さ? は」
「大丈夫です」
「いや、話を聞いた方が何かと」
「いや、大丈夫です」
俺の高ぶった感情はもう、そんな前話を良しとしていない。と言うか、モンスターは危ないとか、そう言った事だろあと言いたいのは。
そんな事はギルドで聞くとして!
はやく!!
俺は堪らずにラハルを見つめると頭を掻きながら頷いた。
──キタキタキタキタ!!
「じゃあ、街の少し離れた場所に転移するから。街中だとパニックなっちゃうし」
「りょーかいした!!」
ラハルは俺の言葉を聞き終えると、祭壇に手を翳した。
すると、次は懐中電灯ではなく正真正銘、祭壇が歪な形を成した淡く赤く光。それは燦然足るもの。
「うわぁっ……な……ッ!!」
次に襲った感覚は体と意識が離れていくかんじ……いや、引き剥がされると言う感覚だろうか。
そのよく分からない感覚に、しかし俺は恐怖では無く興奮していた。