第20話

文字数 990文字

ー樹海ー

悪魔のデーモンを人間のデーモンに戻すため美咲そっくりの女性は樹海を歩いていた。

「龍達と勉の気を感じるんだけど、どこに居るのかしら」

口にしながら美咲そっくりの女性が歩いていると樹海の妖精が現れた。

「ここから先は行かせない」

「あんた誰?」

「樹海を守る妖精だ」

「あんたを倒せば勉のところに行けるのね」

「お前の相手は俺だ」

そう言って左右の瞳と長い髪と足首まで長い服が金と銀の人間、大龍神が現れた。

「妖精、勉と龍達を頼む」

「わかった」

そう言って妖精が洞窟に向かって移動していくと大龍神は金と銀の矢を構えた。

「せっかく生まれた命だ、デーモンから離れ生きてみないか」

「私はデーモンが好き、私はデーモンと生きていく」

「そうか、ならデーモンと一緒にあの世に行くしかないな」

そう言って大龍神と美咲そっくりの女性との矢と矢の戦いが始まった。

ー洞窟ー

「勉…龍達…」

「声が聞こえる」

洞窟の前で龍達と話をしていた勉は龍達から目線をそらし声の方に目を向けた。

「あれは樹海の妖精」

「勉…龍達…」

勉の前に止まった妖精は勉と龍達に大龍神のことを話した。

「大龍神が美咲そっくりの女性と戦っている」

「え…」

「勉、大龍神を助けてくれ」

「龍達をお願いします」

そう言って勉は龍達を妖精に任せ大龍神の元に向かった。

その頃、大龍神と美咲そっくりの女性は矢と矢の戦いを繰り広げていた。

「デーモンの側に居ても悲しいだけだぞ」

「悲しいでも私はデーモンのこと好きだから側に居る」

「騙されないことを祈るよ」

「あなたはどうなの?」

「俺?」

「恋してるでしょ」

「……」

戦っていた大龍神は美咲そっくりの女性の言葉で手が止まり美咲そっくりの女性の矢を受けた。

「図星だったみたいね」

「……」

矢を受けたまま美咲そっくりの女性を攻撃し離れさせると大龍神は自分の手で矢を抜いた。

「大龍神が私の言葉で動揺するなんて情けないわね」

「……」

美咲そっくりの女性に目を向けていた大龍神がふらつき方膝をつくと再び美咲そっくりの女性に矢を突きつけられた。

「デーモンに力を奪われているのによく頑張ったわね」

「……」

「これで永遠にお別れね、さようなら」

そう言って美咲そっくりの女性が大龍神に矢を突き刺そうとしたその時、金と銀の矢が現れ美咲そっくりの女性の攻撃を止め離れさせた。

「誰!」

美咲そっくりの女性の言葉と同時に勉が現れ大龍神の側に立った。
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