第16話 修学旅行(出発日)

文字数 2,088文字

テストを無事に乗り切ると、赤点の人は夏休みに補習があるらしいのだが、夏休み前にお楽しみイベントの修学旅行の当時つを迎えた。


学校にまずは集合することになるのだが、朝いつも俺の家の集合になるのだが、愛も冬月酸も大きなカバンも持って来た。


もちろん俺もある…


俺は悩んだ…


カッコつけて愛の分の泊まり用の大きなカバンを持ってあげると言ったら、冬月さんが可哀想だ…


二人の分と自分の分持てば、学校についた頃にはきっと俺はほぼ瀕死状態のようになるだろう…

3人で歩き初めて悩んでいると、愛が先につらそうになってきていた…
龍一。愛さん、つらそうだろ?持ってやれよ?


そういう時の男だろ?

愛を見ると
だ、大丈夫だよ(汗)


冬月さんも自分で持ってるのに私だけ持ってもらうことなんてできないよ(汗)

まぁ、まず持つよ。
ありがとう龍一君。
愛の荷物と自分の泊まり用のカバンを左右の肩にかけながら歩く。


なかなかつらいけど、平然を装う…


頑張って歩いていた冬月さんも表情がつらそうになってきた…

冬月…さん。


俺持つから、大きいカバンの肩にかけるところを俺の首にかけて…

いや。龍一大変だろ(汗)私なら大丈夫…
愛が冬月さんに言った。
龍一君は弱そうに見えて昔柔道に空手と凄い強かったんだよ。
何でやめたの?
愛には普通の口調で話せるのか…
龍一君は靭帯損傷してやめたんだよ。一時期松葉杖で学校だったんだよ。


中1の頃なんて柔道の全国大会で優勝して、将来のオリンピック選手ってまで言われたのにもったいないよね。

そうだったんだ。全国大会優勝ね〜。
冬月さんが俺をみながら言った…
多分冬月さんは転校してきてすぐ、屋上で絡まれていた時にオレガ屋上でやったことを思い出しているんだろう…
冬月さんが俺の首に泊まり用の大きなカバンをかけた。


冬月さんの顔が目の前にある…

全国大会優勝したくらいなんだから、龍一はこんなの楽勝だもんな(笑)


力持ちな方が非力なやつよりモテるぞ〜(笑)

そう言った冬月さんは、俺が辛い荷物持ち状態なのを喜んでいる…
死に物狂いで学校にたどり着くと、荷物持ち状態の俺を見て明にめちゃくちゃ笑われた…
荷物持ち大変だったな(笑)遠目からみてるといじめられて荷物おしつけられてるみたいな感じだったぞ(笑)


とても将来のオリンピック選手なんて言われたやつには見えなかったよ(笑)

投げ飛ばされたいのか?(笑)
悪かったよ(汗)でも、靭帯損傷してなければ、今頃日本代表候補とかなってたかもしれないのにな。


もうやる気はないんだろ?

そうだね。ないね。俺は平凡に生きていくよ。
ところで、冬月さんが白石 千春なんじゃないかって噂お前は信じるか?


修学旅行で泊まりってことは、女子は風呂一緒に入ったらわかるよな?

(そうか…明に言われるまで気づかなかった…俺と愛は本人から聞かされてるからいいけど、バレて騒ぎになったら、きっと冬月さんが大変な思いをするだろう…愛にこのことを知らせて、なんとかしてもらおう…)
男の俺じゃできないこともある…愛が冬月さんと友達になってくれてて、本当によかったと思った…
そんなわけないだろ。白石 千春は俺は東京のどこかにいるんじゃないかと思ってるけどな。


関東で育った人がわざわざ宮城県に来る必要がないだろ?


老後じゃないんだからさ(笑)

それもそうだよな。冬月さんと仲が良い龍一が言うなら、間違いないよな。


ところで、席が隣ってだけで、普通に心開かないよな?


ずっと坂木さんだった龍一が心変わりし始めたりしないのか?


失礼な話、どっちかって言ったら冬月さんの方が可愛いだろ(笑)


他の奴らと比べて、やはり華があるよな。

(そりゃあ、他の人とは違うさ…だって、冬月さんはスーパーアイドル白石 千春なんだから…)
んなのそう簡単に変わるわけないだろ。何年片思いしてると思ってんだよ。
明と話終わると、バスに泊まり用のバッグを渡している愛を呼び出して、周りに人のいないところで言った、
愛は冬月さんと部屋一緒だろ?酒井さんにもだけど、他の女子にもバレないように冬月さんのことよろしくな。


白石 千春は胸元にほくろがあるらしいんだ。


だから、その点に関しては俺は何も協力出来ないから、愛任せなるけど、頼む。

大丈夫だよ。任せて。


冬月さん、龍一君と私にしかそのこと話してないんでしょ?


私は部屋も冬月さんと一緒だし、お風呂とか、着替えのときとか気をつけるようにするね。


任せて。でもさ、龍一君、冬月さん転校してきてから、冬月さんのことよく気にしてるよね?


好きなの?

(え?誤解だよ(汗))
いやいや、んなわけ無いだろ(汗)


冬月さんの性格上放って置けないだろ。

そう?冬月さん来てから、龍一君はなんか前と違って活き活きしてるような気がするけど?
(そう言われると、Uチューブ最近見てなかったな…)
気のせいだよ。色々冬月さん、わからないことばかりだろうから、教えてて毎日があっという間なだけだよ。


それに事情を知ってる俺と愛しか助けてあげられないことも色々あるだろうしさ。

ならいいんだけどさ。
(ならいいんだけど?どういう意味?)
そして、全員揃った俺達を乗せたバスは、仙台空港に向けて出発した。
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登場人物紹介

上田 龍一(うえだ りゅういち)

城西高等学校2年生

成績、スポーツ、容姿全てが平均的男子。同級生で同じ高校で同じクラスの坂木 愛(さかき あい)に恋をしている。

冬月 千春(ふゆつき ちはる)龍一のクラスへの転校生。

両親離婚前は白石 千春(しらいし ちはる)

元アイドル。そして記憶を失くしている。

坂木 愛(さかき あい)城西高等学校2年生。龍一と同じクラス。


目立つタイプではなく、あんまり人の輪に入ることが得意ではないが、容姿が良いため男子から密かに人気がある。

酒井 真美(さかい まみ)。龍一のクラスメイトで、愛の親友。

佐藤 明(さとう あきら)。龍一のクラスメイトで親友。

神谷 俊(かみや しゅん)。龍一と同じクラスで学年一のモテ男。性格もイケメン。

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