入隊選抜試験(9)
文字数 1,035文字
試験の際にも受けた、本人確認の指紋・声紋チェックを行い、萌香は係員から認証カードを受け取った。
異星人の場合、擬態を取ることができる者もいるので、この辺のセキュリティは非常に厳格になっている。勿論、萌香が討伐隊の隊員になったことについても、基本的には機密事項になっていた。
萌香はそれらの手続きを完了すると、それを待っていた風祭隊員と共に、地下にある異星人討伐隊作戦室へと移動する。
作戦室には、既に数名の人間が働いており、その中に小田原の姿もあった。
小田原は萌香と風祭隊員の入室を確認すると、全員に作業を中断し、中央のテーブルに集まる様指示をする。
「本日付けで、非常勤隊員として異星人討伐隊に入隊する入生田萌香君だ。全員一言ずつで良いので自己紹介をしてくれ」
小田原はそう言ってから自分の自己紹介を始めた。
「私は小田原平蔵。異星人討伐隊の隊長を任されている。萌香君はまだ高校生だが、討伐隊に入った以上、一隊員として扱わせて貰う。宜しく頼む」
「よろしくお願いします」
次に近くにいた風祭が口を開く。
「俺は風祭準。もう知っていると思うが、得意なのは射撃だ。よろしくな!」
「よろしくお願いします」
白衣を引掛けたポニーテールにメガネの女性が次に挨拶をする。
「私は板橋羽根子。データや暗号解析のスペシャリストよ」
「よろしくお願いします」
最後はウェーブの掛かった髪にメガネの少年。萌香と同じ位の歳だろうか?
「僕は湯本譲治。僕も非常勤隊員なんだ。専門は作戦の立案だよ。学校は学習大付属に通っている」
「よろしくお願いいたします」
最後に萌香が自己紹介する。
「本日より異星人討伐隊に加わらせて頂きました、あたくし入生田萌香と申します。ゴーラ女学院付属女子高に通っております。得意なのは……」
「得意なのは?」
風祭隊員が萌香の言葉を繰り返す。だが、萌香には、口に出来るほどの優れた技術などありはしない。
「得意なのは魔法です。私、結構優秀な魔法使いなのですよ!」
萌香の口から、思いも寄らぬ言葉が発せられる。周りのメンバーは冗談だと思い笑っていた。恥ずかしさのあまり、思わず萌香は赤面する。
「へえ、じゃ、入生田さんはどんな魔法が得意なの?」
湯本隊員が面白そうに囃し立てる。だが、その答えを聞いた時、ただ小田原隊長だけは笑うことなく、眉間に深く皺を寄せたのであった。
「私の得意な魔法は、『極光乱舞』と言う氷結系の呪文です。多分、他の誰よりもこの魔法に熟練していると思っています……」
異星人の場合、擬態を取ることができる者もいるので、この辺のセキュリティは非常に厳格になっている。勿論、萌香が討伐隊の隊員になったことについても、基本的には機密事項になっていた。
萌香はそれらの手続きを完了すると、それを待っていた風祭隊員と共に、地下にある異星人討伐隊作戦室へと移動する。
作戦室には、既に数名の人間が働いており、その中に小田原の姿もあった。
小田原は萌香と風祭隊員の入室を確認すると、全員に作業を中断し、中央のテーブルに集まる様指示をする。
「本日付けで、非常勤隊員として異星人討伐隊に入隊する入生田萌香君だ。全員一言ずつで良いので自己紹介をしてくれ」
小田原はそう言ってから自分の自己紹介を始めた。
「私は小田原平蔵。異星人討伐隊の隊長を任されている。萌香君はまだ高校生だが、討伐隊に入った以上、一隊員として扱わせて貰う。宜しく頼む」
「よろしくお願いします」
次に近くにいた風祭が口を開く。
「俺は風祭準。もう知っていると思うが、得意なのは射撃だ。よろしくな!」
「よろしくお願いします」
白衣を引掛けたポニーテールにメガネの女性が次に挨拶をする。
「私は板橋羽根子。データや暗号解析のスペシャリストよ」
「よろしくお願いします」
最後はウェーブの掛かった髪にメガネの少年。萌香と同じ位の歳だろうか?
「僕は湯本譲治。僕も非常勤隊員なんだ。専門は作戦の立案だよ。学校は学習大付属に通っている」
「よろしくお願いいたします」
最後に萌香が自己紹介する。
「本日より異星人討伐隊に加わらせて頂きました、あたくし入生田萌香と申します。ゴーラ女学院付属女子高に通っております。得意なのは……」
「得意なのは?」
風祭隊員が萌香の言葉を繰り返す。だが、萌香には、口に出来るほどの優れた技術などありはしない。
「得意なのは魔法です。私、結構優秀な魔法使いなのですよ!」
萌香の口から、思いも寄らぬ言葉が発せられる。周りのメンバーは冗談だと思い笑っていた。恥ずかしさのあまり、思わず萌香は赤面する。
「へえ、じゃ、入生田さんはどんな魔法が得意なの?」
湯本隊員が面白そうに囃し立てる。だが、その答えを聞いた時、ただ小田原隊長だけは笑うことなく、眉間に深く皺を寄せたのであった。
「私の得意な魔法は、『極光乱舞』と言う氷結系の呪文です。多分、他の誰よりもこの魔法に熟練していると思っています……」