俺の旅館
文字数 3,498文字
中居さんたちには特にこだわりはないので、みんなクセのない顔の没個性モブにしていたんだが、ある夜ヤケ酒をして眠ったはずみに、その原因となったオバチャン上司のイメージが旅館に投影されてしまったらしく、上司モドキが新入りとして働き出すようになった
当然和食がメインなんだが、芸術的なまでに美しかった刺身の切り方や盛り付けが家庭のそれとたいして変わらないレベルになっていき、スーパーで買ったとおぼしきくたびれたカツオの切り身が丸のままでドンと出された時には、まずまっさきにおのれの視力の低下を疑ったほどだ
キキィ……ッ!!
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