ガンマディオラ(3)
文字数 1,218文字
船尾甲板を下り、今度は船首方向へ向かって進む。
そこには、美しい金髪を潮風になびかせている少女の姿があった。
シュトラと呼ばれた少女は、ラオを見つめてくる。
澄んだ瞳がとても綺麗だ。
なぜかひどく驚かれた。
シュトラの指が、フィーネの額をピコンとはじいた。
シュトラはラオをじっと見つめたあと、ほんのり頬を赤く染めて視線を逸らした。
ラオはフィーネに名前を教えた。
ロギア、船長、シュトラ、フィーネ。
四人に自己紹介したことになる。
孤島生まれの田舎者なんて、と馬鹿にされることを気にしていたラオだったが、そんなことは一切なかった。
ロギアが笑顔で右手の指をポキポキ鳴らした。
シュトラ、フィーネ姉妹への挨拶もそこそこに、ラオは下甲板へと慌てて戻っていった。