4 ウッダーラカ・アールニ(1)
文字数 1,457文字
1つは、この世界の成り立ちについての説明。
まず、この世界は「有」であり、「有」は「無」から生まれるものではない、とした。
世界は根源的な「有」から始まり、「有」から熱が、熱から水が、水から食物が生じたとする
いきなり雲をつかむような話だよね。戸惑うのもわかるよ。
議論を先取りしておくと、この「有」が、のちのブラフマンへと展開していく礎石となった。
ここでは、「有」の特徴として、ウッダーラカ・アールニが、「有」は増殖しようと思った、が故に熱が生まれ、その熱がまた増殖しようと思った、が故に水が創り出された・・・・・・と語っているように、「有」が思惟する実体であることに着眼しておこう
(2)まずは根源的な<はたらき>から、この世界を形成する上での基礎的な要素が生まれた。現代物理学を知るぼくらだから、それを素粒子としておこう。
しかしウッダーラカ・アールニは、当たり前だが、現代物理学を知らなかったわけで、それを、つまり世界形成のベースとなる基礎的な要素を、熱・水・食物、とした。
のちの時代になると、地・水・火・風・空といった五元素が考えられたりするが、さしあたりそんなことはどーでもよいと思う。
要するに、世界を構成するに基礎的な要素がある、ということをウッダーラカ・アールニが言っているんだ、と理解しておくべきだ
わかった。超訳しますよ。
存在するのは素粒子のみ。それら素粒子がさまざまにからまって、さまざまなモノを生む。
そして、ぼくら人間はね、それらのモノに(たとえば火とか)さまざまな名称をつけるが、それは勝手につけた名称であって、実際に存在するのは素粒子の結合だけ、ってことさ
[参考文献]
・宮元啓一『インド最古の二大哲人』春秋社、2011