(二)‐12

文字数 260文字

 こうして通夜は始まったが、続々と訪れる弔問客に妹も自分もびっくりしてしまった。小ヶ田社長にそのことをふと言うと、
「そりゃあ当たり前ですよ。合川さん、あなたのお父さんは地元の会社の人に良くしてくれていましたからね。それで資金を借りられて廃業をなんとか免れたという人は多い。実は私も同じでね。みんなあなたのお父さんに助けてもらった人たちですよ」
 とニコニコ顔で言っていた。
 その後も地元の警察署長さんや大手都市銀行時代の友人知人などが何人もやってきた。父にこれほどまでに人とのつながりがあったとは全然知らなかった。

(続く)
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