#09 妖精からの贈り物
文字数 990文字
しばらくして、両親が家に帰ってきました。
両親はたいそうご機嫌で、なにやら楽しそうに話をしているのが聞こえます。
お母さんは、ふと思い出したかのように言いました。
お父さんはクスクス笑うと、金の懐中時計を見て言いました。
静かにドアが開きました。
たくさんの星が、流れてくるではありませんか!
お父さんが、お母さんの肩を抱き寄せ、ふたりで星空を見上げたときでした。
眠っていると思っていた子供たちが、ばっとベットから飛び降りてくるではありませんか!
ノエルとニコラは、目をきらきらと輝かせながら言いました。
生まれて初めて見る、流星の夜です。
きらきらと流れる星の中から、ふたりは見つけました。
あの銀の靴を履いた妖精を!
妖精は空に向かって、円を描くようにステッキを振っています。
星空を眺めながら、お父さんとお母さんは、ふたりの子供を見て優しく微笑みました。
だって、ふたりはまだドレスとタキシードを着たまんまなんですもの。