親方様
文字数 334文字
ある日、四五六は信長に呼ばれた。
「親方様。四五六にございます。」
藤吉郎に案内されて、宿泊先の寺の中庭の玉砂利の上で四五六が片膝をついて控えていると、面長の武将が回廊を渡ってきた。
「そちの子は、なかなか面白い鉄包を使うそうだな。種子島で本格的に習ったと聞いたぞ。どうだ、鉄包隊の指南をしてくれぬか。皆、初めてでな。道具がよくても、腕が悪くては話にならん。」
「もったいないお言葉。せがれが聞いたらさぞ喜ぶことでしょう。」
「後の事はそこのサルに聞くがよい。」
ほんの一分ほどの間のことだった。
「親方様自らお声掛けとは、よほどのことじゃ。なにせ、一度へそをお曲げになられると、てこでも動かんお方じゃからな。」
藤吉郎も信長の扱いには苦労しているようだ。
「親方様。四五六にございます。」
藤吉郎に案内されて、宿泊先の寺の中庭の玉砂利の上で四五六が片膝をついて控えていると、面長の武将が回廊を渡ってきた。
「そちの子は、なかなか面白い鉄包を使うそうだな。種子島で本格的に習ったと聞いたぞ。どうだ、鉄包隊の指南をしてくれぬか。皆、初めてでな。道具がよくても、腕が悪くては話にならん。」
「もったいないお言葉。せがれが聞いたらさぞ喜ぶことでしょう。」
「後の事はそこのサルに聞くがよい。」
ほんの一分ほどの間のことだった。
「親方様自らお声掛けとは、よほどのことじゃ。なにせ、一度へそをお曲げになられると、てこでも動かんお方じゃからな。」
藤吉郎も信長の扱いには苦労しているようだ。