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文字数 942文字
コンコン。
結母は結の部屋をノックして、ドアをそっと開ける。
結母は息の合った行動をしている! と勘違いをし微笑ましく二人を見つめる。
結はスッと立ち上がり
ケイは体育座りのまま顔を上げ涙をポロポロと流している。
結の言葉に耳を傾けない結母。
それは当然だ。
結母はケイのお母さんになってからまだ一日も経っていない。そのため、結のことよりケイのことが今は最優先になっているのである。
母の気持ちをしてはせっかく出来た息子から嫌われたくないと心理は当然のことである。
ということで結は幽霊のように存在を忘れられ……。
まあ、そもそも……結はアホは発言が多いため話を聞かれないことが多々発生しているのでこの光景は日常茶飯事とも言えなくもない。
結母は眉を八の字にして呆れた表情で結を見る。
やっと存在を認知されました! よかった主人公!
認知はされましたが……結果こうなった経緯は話せていませんので、結のその言葉は母には残念ながら届かず。
結母はふぅと大きくため息をつき「ほら、仲直り」と結の顔をジッと見つめる。
ケイは顔を伏せたまま片手を差し出す。