第5話 林の中で

文字数 988文字

〜第5話 林の中で〜
今日は訓練の成果を確かめに山の林に来ている。
すーーーはーーーーー。

ひふみ よいむなや こともちろらね しきるゆゐつわぬ そをたはくめか うおえ にさりへて のますあせゑほれけ

ふうう。
一瞬音が全て消え、そのあとひんやりとした空気が周りを包み込む。
耳に神経を集中させる、
と。
「ちーちーちー、母ちゃんこのお花食べていい?」
「だめよ。それは美味しくないの。こっちの方がたくさん生えてて美味しいわ。大きくてハート形の花びらが目印よ。」

すずリスだ。ころころと鈴のような音で鳴く。小さくて黄色のしま模様がとても可愛い。
が、そんな見た目とは裏腹に、とても獰猛で、縄張りに侵入するものには容赦なく攻撃する。群れ意識が強く1匹の雄を中心とし20匹ほどの群れで、主に山のふもとの林で生活している。あっちは男の子リスであっちが母リスかな。
すずリスの好物は紅心(べにこ)らしい。その名の通り赤く、心臓のような形をしていて、布を染めるのに使われる花だ。村でも春に栽培されている。

少し歩く、
と。
「この虫スコ、激ウマ〜!」
「ママもそう言ってくれるとテンアゲすぎてヤバみ♡」
「もっと食べちゃうぞ!」
「みんなあげちゃって、もうないぴ。」
「まじ〜、ぴえんの極み、テンションサゲサゲえええ(泣)」
「よしよし泣かないで、おニューな虫ゲットしに行くからね、♪(´ε` )チュ」
「マミー☆」

ええ、っとお。これは何の鳥だっけ。なんか印象強すぎて名前が記憶の中から吹っ飛んでっちゃった。
えっと、、あ、きんかん鳥か。
橙色と青色の光沢ある翼が美しく、立派なくちばしも。くちばしには毒があり、噛みつかれるとめまいがして、そうそう噛まれることはないが危険だ。
名前の由来はかーんかーんと金管楽器のような高く響く声を持つことから。
高度な知能があり、仲間同士で盛んに話すと聞いていたが、、、これほどまでとは思わなかった。(しかもギャル語だなんて)
育てるのは母のみで2、3匹のひなを、木の上に枝を組んだ巣の中で育てる。3か月もすると羽根も生えそろい巣立っていくが、母が留守のうちに敵に襲われて死んでしまうのも多い。
きんかん鳥は小さな虫を食べて育つ。虫にはたくさんの栄養が含まれていて、美味しいのだろう。私も食べたことがあるが佃煮にするとカリカリして食べやすい!みんなも食べてみてね(真顔)

動物の話が聞こえると楽しいことも多い、でも。


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