ファミレス

エピソード文字数 1,143文字

俺はマイカーに乗り込むと、川崎方面に向けて発進させる。
片耳にイヤホンをつけ、携帯に繋げる。
運転中にも電話に出れるようにするためだ。

時計を見ると18時半。
22時の時間指定さえなければ良いのだが、
訳のわからない時間指定があるため、調整が必要と思われた。

一度、家に帰ろうかな、、、。
時計を再度確認し、思案する。

いや、現地近くまで行って、時間をつぶそう!
そう決め、ゆっくりと下道を行く。

鶴岡八幡宮の横を抜け、大船まで出ると、左折して国道一号線を目指す。

運転中ずっとイライラがおさまらない。
あの女、ゆるさねぇ。
元々、評価は高くなかったけど、署長の評価は確実に地に落ちた。

普段はそれほどプライドが高くないので、頭を下げることに全く抵抗はない。
だが、今回のはさすがに、悔しくて仕方がなかった。

一号線に入るとそのまま北上する。
多摩川手前で沿線道路に入り、川上に行くと川崎市高津区だ。
第三京浜を使えば30分以上早く着くのだが、今回は時間つぶしもかねて、下道で来た。

結局、1時間半以上かかり、時計を見ると、20時過ぎていた。

晩御飯を食べたら、意外とちょうどいいかもな、、、。
そう思うと、高津区に入ったところでガストに入った。

ここなら、食後にお茶をして時間調整できるだろう。

車を駐車場に入れ、携帯を握りしめる。
あ、家に連絡しとかなきゃ。
携帯のリダイアル表示から、自宅を選択し、通話ボタンを押す。
「あぁ、俺。今日は帰るの遅くなるから。御飯は外で食べて来る。」
最低限の会話で通話を切った。

本当は時間もあることだし、もう少し話をしても良かったのだが、イライラした状態で話をするのも悪い気がした。

車をおり、階段を上がるとそのまま玄関をくぐった。
幸いにして席は空いているようで、すぐに中に通された。

俺はハンバーグセットにドリンクバーを頼むと、夕方の出来事を振り返った。
よく考えたら、そもそも俺は書類を押し付けられたり、邪険にされる覚えがない。
自分で言うのもなんだが、人からは好かれるタイプだ。
ましてや初対面なのだ。
なんか、失礼なことしたかなぁ?

そう考えると、運ばれてきた食事を口にした。

無事に完食し、食後のウーロン茶を飲む。
突然、携帯が大きな音を立ててなる。
店内に『太陽にほえろ』のテーマがなり、数人がこちらを見た。

慌てて電話を取ると、『上野』の表示。
今日、階段の踊り場であった同僚だ。

「よぉ、俊輔~。今どこよ?」
通話が繋がると同時におどけた声が聞こえる。
後ろでガヤガヤと賑やかな声がし、中には女性の声も混じっている。
明らかに居酒屋かどこかであることは間違いなく、合コン会場だと思われた。

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