問われる後輩力！
文字数 1,297文字
授業の終わりを知らせるチャイム！
昼休み！
はい、先輩。あーん……
蘭はイツキに卵焼きを食べさせた！
あーん。……んーっ！蘭ちゃんのお弁当は美味しいねぇ！
えへへ……。実はこれ、先輩に喜んでもらいたくって頑張って練習したんですよ？
うんうん、凄く美味しいよ！蘭ちゃんは良いお嫁さんになりそうだなぁ！あっはっはっはっはー
……はぁ
あれ、今のはあんまりって感じですか……？
うーん、いやぁ……悪くはないんだけど……。やっぱり台本感が拭いきれないねぇ……
イツキはバッグからゲーム機を取り出して確認する！
台本感、ですか……
今朝の蘭ちゃんの演技を見た時の衝撃は忘れられないよ……。他のどのヒロインも霞むような相手の心を鷲掴みにする何気無い一言……。本人にとっては好きが当たり前の感情になってるからこそ言われた側が恥ずかしくなるくらい真っ直ぐな表情の合わせ技……。あれを見てから、私は自然とあのレベルと同等……いや、それ以上のものを求めるようになってしまってるのかもしれないね……
え、あ、あのっ……そんな風に言われるとまた恥ずかしくなってきちゃいますよぉっ……！
何を言ってるんだ！君なら世界に通用する後輩キャラになれる！その素質がある！
えぇっ！？せ、世界だなんて無理ですよぉっ……！
大丈夫！私が必ず君を輝くダイヤモンドにしてみせる！だから一緒に世界を目指そう！
え、えっとー、えぇっとぉ……
千恵と委員長が教室に入る！
返答に困る蘭は瞬時に反応した！
あ！千恵さんと委員長が来ましたよ！
貴様！話を逸らすんじゃない！
ひぃぃっ？！ご、ごめんなさいぃっ！
狩屋さんはまた面倒な絡まれ方をしているようで……
イツキちゃん、あんまり蘭ちゃんを困らせちゃ駄目だよ？
違うよ、悪いの蘭ちゃんだもん！
えぇぇぇぇぇっ！？
＊ ＊ ＊
「それじゃこれからは、先輩と後輩じゃなく恋人同士……です。」
「あぁ、そうだな。」
「え、えっと……じゃあ一緒に帰ろっか。イツキ君。」
帰る帰るぅ〜。もー、口角上がっちゃうよ！
つまり、このキャラクターと狩屋さんを重ね合わせてる訳ですか……
だって存在がコスプレみたいな事になってるんだよ？そりゃやってもらうでしょ！
……災難でしたね
委員長は蘭に同情の目を向けた！
いえいえ、こんな事で喜んでもらえるなら私も嫌ではないんですが……
でも流石に世界なんて無理です！
世界……？一体何の話ですか……？
君の後輩キャラなら世界を獲れるんだ！なのに最初から諦めてどうする！
わ、私はなんて答えれば……！？
あー……適当に流していいと思うよ……
え、じゃあ……無理です！ごめんなさい！
そ、そっか……。うん、いいんだ。ごめんね、無理言って……
あ、いや……！そういうつもりじゃなくってっ……！
てことはやっぱりOK！？
蘭ちゃんならきっとそう言ってくれると思ってたよ！2人で世界にKOUHAIを流行らせよう！
いや、でも世界は荷が重いというか……！
そんな事無い！私が絶対に君を世界に連れて行くから！
えっ……
もー、駄目だよ蘭ちゃん！そこで後輩パワーを爆発させたセリフを言わなきゃ！
こ、これも試されてたんですか！？
2人は置いておいて、お昼にしましょうか
うん、そうだね……
