第21話 人類滅亡への道2

文字数 410文字

 俺は、大谷の話を聞いていくうちに、腸が煮えくり返っていた。欲深い連中のせいで、80億余の人々が犠牲になった。
 ささやかな幸せを求めて暮らしていた人々の人生を、命を、無惨に奪い去った強欲な金の亡者、資本家、権力者、科学者たちへの激しい怒りが全身に沸騰していた。
 人工知能が生物学的限界を超えてしまったら、どういうことが起きるのか、こうなることは十分に予想できたはずた。AIが進化し続けたらどうなるか? 人間の能力を超える推測などできない限界点となる、いわゆるシンギュラリティ(技術的特異点)を超えてしまったら、人間の代わりにテクノロジーを発展させる未来は、バラ色の世界だけではない。
 人間の社会を事実上、滅ぼしてしまった連中を、この手で一人残らず粉砕したい思いだった。
 説明していた大谷も、荒げたその強い口調や険しい表情からして、きっと俺と同じ思いを抱いているのだろう。眼の色にも、怒りも混ざっているようだった。
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