第52話:ハロルドの横浜転勤

文字数 1,194文字

 2011年3月22日、ハロルドと奥さんのジャネット加藤が、サンディエゴを立ち、成田へ飛び立った。リチャードが、安田商事の横浜支店・安田太郎支店長と打ち合わせて、ハロルドを東日本大震災の支援課の課長として、窓口を担当してもらい、奥さんが弁護士事務所の経理と法律に詳しいので、給料を払って、手伝ってもらうことにすると言った。この話を、神奈川新聞や、地元のテレビ、ラジオ放送局に大々的に伝えた。そして、横浜港開港時代の生糸商売から、祖父の安田商店が始まったと言う安田商事ルーツのエピソードも会社の宣伝として使った。

 安田商会が地元でも有名になって大きな宣伝効果を生んだ。ちょうど安田商事・横浜支店が、観光地のど真ん中にあり地元の人や観光客が安田商事入口に東日本大震災・救援室と書いた看板をあげて1室を募金室にした。テーブルを設けて募金できるようにし募金カードに氏名、年齢、所属、寄付金額を書けるようにした。大口寄付の場合は、税控除のための領収書を発行するようにして大口寄付も受け付けた。数日間は、マスコミの報道関係者と寄付をする人で、ごった返していたが2~3日で、静かになった。

 土日など会社が休日も担当者を数名おき寄付の対応できるようにした。その後、寄付の総額が30億円に達して神奈川新聞に、この話題がのり東京の大きな放送局も駆けつけて報道してくれたおかげで、その後も順調に寄付が集まった。ハロルドとジャネット加藤は、会社から徒歩5分の2LDKの賃貸マンションに入居し会社に通った。その後、ハロルドは、父のリチャードと同じ投資の仕事をするように言われた。2014年4月になり日本株の勉強を初めて東日本大震災支援課長の仕事に加えインターネットや経済の本を読んで日本株について熱心に勉強を続けた。

 わからない時には、サンディエゴの父、リチャードにメールをしたり電話をして相談した。リチャードは、株投資するときには、会社と自分でも投資した方が身につくと言った。そして行き詰まったときは温泉に入って頭をリフレッシュするのが一番良いと自分の経験談を教え、橫浜からだと、箱根や湯河原、熱海の温泉が近いと言った。リチャードが、ハロルドに1億円投資するから儲けの半分を欲しいと言うと、わかったと答え、数日後、ハロルドの銀行に2億円分の米ドルを送った。

 やがて、ハロルドの日本株の勉強を終えて実際の投資を始める決心をして2011年5月13日、キャタピラー株を1株105ドルで全株、3465万ドルで売り、税引き後利益1992万ドル、残金4389万ドルとなり、3389万ドルを安田商会本社に送金した。リチャード自信も、同じ株を同数売買して、残金が18541万ドルとなった。2011年5月27日、9983・ファーストリティ株を11500円で会社で2千株、2億3千万円買い、ハロルド個人で3百株3450万円で買った。
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