第3話 サザエさんとブルーライト

文字数 847文字

 寝る前のYouTube、楽しみ〜。
私の睡眠導入法だ。世間では寝る前のブルーライトは良くないと言っているようだが、ご容赦を。
私の場合、おそらく10分も観ないうちに熟睡しているから。

 若い頃も寝る前に見てた。『サザエさんの単行本』をYouTubeの代わりにね。
自慢じゃないけど、姉妹社製のやつ。しかも全巻揃っている。私のお宝。若い頃は、その本を読みながらいつの間にか熟睡してた。部屋の電気を誰が消したのかは定かではないが、たぶん無意識に自分で消していたと思う。懐かしい。

 そんな癒しの習慣をいつまでも続けたかったが、いつしか育児に追われ、苦手な家事に追われ、疲れ切って横になれば即熟睡の日々。やがて『サザエさん』は子どもの手に渡り、しばらくの間、読む機会を失った。

 あるとき体調を崩して横になることがあった。久しぶり本を手にして見たら……ボヤけてまともに読めない。「なんじゃ、こりゃ〜」 と叫びたくなるほどの大ショック(涙)

ついに来たか。

私は『サザエさん』で老眼の進行を自覚した。

 もしかしたら、老眼?という疑いは、実は少しずつあった。思い出すのは、次女が中1のとき。保護者が手作りバザーをすることになり、裁縫が必要になった。糸通しがね、やりにくかったのよー。それでも、なんとかやってしまったから、そのときは老眼を認めなかった。それなりに文字も読めたのでね。

 しばらくして、「老眼は無理せず、老眼鏡をかけた方がいい」 と眼科の先生に言われた。そこまで言われちゃあ使わざるを得まい。かくして私の老眼鏡生活は50代前半から始まる。

 老眼鏡はピンキリだ。下は100均、上限は無し。さすがに100均はどうかと思い、雑貨屋さんで小洒落たやつを購入。今では着るものとコーディネートできるくらいの数になった。そして、なくてはならない携帯品のひとつにも。

 老眼鏡を持った今、YouTubeの代わりに『サザエさん』が読めるかと聞かれれば……
読めないの。私、横を向いて読むからフレームが当たって痛いのよ、残念だけど。

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