第20話 二人の自白
文字数 629文字
ホームルームが終わってすぐに二人は来た。担任らしく「どこに行ってたんだ?」と田崎が問う前に、その二人は田崎をひと気のない場所に連れて行き、事のあらましを話した。
そして、田崎がすでに知っている事件の真相を話してくれた。
案の定な独白をしてくれた二人に田崎は「分かった。警察にも連絡するから二人はとりあえず教室に戻っていてくれ。あ、あと時間がかかりそうだから、一時間目は自習だって他の生徒に伝えといてくれ」と言い、二人と別れると田崎はその足で校長室へと向かった。
(全部、あの人の言った通りに……)
田崎は校長室の扉の前に立つ。この扉を開ける時はいつも独特の緊張感があるが今回ばかりはそれとは異にしたものが心の奥にはあった。
田崎は一つ深呼吸をして校長室へと入った。
「失礼します」
中では豪奢なソファに座った二人が酒を酌み交わしながら談笑していた。そのうちの一人がこちらに気付いた。
それはこの学校の長であり、すっかり頭が寂しくなっている校長だった。
「おお、田崎君。ご苦労様。で、どうだった?」
「はい。おっしゃっていた通り二人はホームルーム終わりに自首してきました」
「おお、そうだろそうだろ。じゃあどうだね一杯」赤ら顔の校長がとっくりを傾ける。
「いえ、勤務中ですので。というか校長も勤務中でしょ」
「いいんだよ。許可も取ってるし」校長は前に座っている者に目を向けた。そこには――
「ねぇ、鈴村先生」
そこには真っ黒なスーツでふんぞり返っている鈴村里香が座っていた。
そして、田崎がすでに知っている事件の真相を話してくれた。
案の定な独白をしてくれた二人に田崎は「分かった。警察にも連絡するから二人はとりあえず教室に戻っていてくれ。あ、あと時間がかかりそうだから、一時間目は自習だって他の生徒に伝えといてくれ」と言い、二人と別れると田崎はその足で校長室へと向かった。
(全部、あの人の言った通りに……)
田崎は校長室の扉の前に立つ。この扉を開ける時はいつも独特の緊張感があるが今回ばかりはそれとは異にしたものが心の奥にはあった。
田崎は一つ深呼吸をして校長室へと入った。
「失礼します」
中では豪奢なソファに座った二人が酒を酌み交わしながら談笑していた。そのうちの一人がこちらに気付いた。
それはこの学校の長であり、すっかり頭が寂しくなっている校長だった。
「おお、田崎君。ご苦労様。で、どうだった?」
「はい。おっしゃっていた通り二人はホームルーム終わりに自首してきました」
「おお、そうだろそうだろ。じゃあどうだね一杯」赤ら顔の校長がとっくりを傾ける。
「いえ、勤務中ですので。というか校長も勤務中でしょ」
「いいんだよ。許可も取ってるし」校長は前に座っている者に目を向けた。そこには――
「ねぇ、鈴村先生」
そこには真っ黒なスーツでふんぞり返っている鈴村里香が座っていた。