海と酒と酔っぱらい

文字数 951文字

「じゃ、荷物を置いたし、買い出し班は夕食用の食材を買いに行くぞ!」
 サークル代表が言うと、何人かのサークルメンバーが集まった。一方、その他のサークルメンバー達は、仲の良い者達で何となく集まっている。
「他は、さっそくの海だ。移動に疲れた人はここで休んでいて欲しい。無理をして溺れる方がよっぽど迷惑だから」
 そうサークル副代表が言うと、パラパラとサークルメンバー達から返事があった。そして、慣れない長距離移動で疲れてしまったサークルメンバーを合宿場に残し、元気なメンバー達は海に向かった。 



 海に向かったサークルメンバー達は、準備運動もそこそこに泳ぎ始めた。また、そのメンバー達の荷物番をする側は海岸にシートを敷き、そこに荷物を置いて暑さに耐えている。海に居るサークルメンバーは。荷物番を交代しながら海で涼んだ。そうしている内に太陽光はメンバー達の皮膚を焼き、半日もしない内に真っ赤になったサークルメンバーも居た。

 日が暮れる頃、海に向かったサークルメンバー達は合宿場に戻り、夕食の準備が始まった。夕食の準備は買い出し班以外のメンバーで行われ、合宿場で休んでいたメンバーも準備に加わっている。
 合宿場の調理場で、料理は一つ一つ作られていき、空が暗くなった頃には豪華な夕食が出来上がった。夕食に混ざってアルコール飲料の類もテーブルに並べられ、サークルメンバー達は、乾杯をしてから夕食を食べ始める。
 成人したサークルメンバーは、ビールや缶チューハイを飲んでは騒ぎ、未成年の下級生は料理の追加や片付けに奔走した。そうこうしている内に買い込んだ食材も無くなり、夕食のふりをした宴は終了した。

 アルコール飲料を飲み過ぎて寝てしまった上級生を尻目に、下級生は片付けられる所を少しずつ片付けていった。使った食器類は洗われ、ゴミは分別して袋に集められた。
 零れた料理等で汚れたテーブルは綺麗に拭かれ、椅子も元の位置に戻された。ただ、完全に寝てしまった上級生だけは、下級生の力だけではどうにもならなかった。
 酔いつぶれた上級生の体はどれも大きく、二人がかりでさえどうにもならなかった。また、耳の近くで話し掛けても、酔いつぶれた上級生適当な返事しか返ってこなかった。この為、下級生は数人の見張りを残して、交代で休むことにした。
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