第24話 サンショウ、モカ職員にフェミ指導宣告される
文字数 1,242文字
救出されたサンショウとヒノキ。
コウジはさっそく、サンショウにスキルの返還をした。
サンショウ、預かっていたスキル返すよ。
二枚舌（ダブスタ）、もうみんなにバレているからな。
女の子？？？ （ああ、あいつらのことか）
いつもの通り大騒ぎだよ、見ないでよ！ いやらしい！ とか散々。
コウジ、女の子達を ”あいつら” なんて言わない方がいいよ。
あの子たち、いつも強がっているけど本当はデリケートだと思うんだ。
アメリカンジョークみたいなボケ、初めてだよな。
おまえのリアクション、すべてが初見だけど……大丈夫かよ……
どうやらサンショウは、脳機能研究センター矯正収容所で思想と記憶を書き換えリモート部品に改造されるより先に、あまりにもひどい男尊女卑感を矯正されたらしい。
サンショウの担当が、モカというセンター入所４年目の女性職員で……
はじめまして、サンショウ君。モカと言います。モカ先生と呼んでね。
あなたが世界と仲良くなれるよう、考え方の癖やこだわりを解きほぐしていくお手伝いをします。
あんたは男女平等だと思っている、俺は男の方が上だと思っている。別にそれでいいじゃないですか。
それとも全員が自分と同じ考えじゃないと許せないタイプですか？
尊重？
あいつらすぐに廃棄して跡形も無く更地にしたり、神経を去勢したり体系・連携・情報を分断させたり、徒党を組んでデマ流したり監視して追い詰めたり、執念深く弱点ついて報復してえげつないし、あんな呪いのスキルをためらいも無く執行する人間のどこを尊重したらいいのか。
プラスマイナスならマイナスの方が断然多い。
あいつらやりっ放しで、後始末するのはいつも俺らだ。例えば土木系のスキルのシナモンが通ったあとは、すべて破壊されている。戦車かよ。
あいつら子宮でもの考えるから野蛮で短絡的なんだ。
……よくわかったわ、サンショウ。危険思想除去の前に、そのいびつな男尊女卑感をリセットしてあげる。
あなたのためにね。
