第100話 筆を擱く

文字数 729文字

ここまで、読み進めた賢明な読者であれば、これから起こる展開は、容易に想像がつくであろう。簡単に言えば、次のような展開である。
T商事のゼロリセット計画による組織改革の成果が確認される。
ゼロリセット計画の方法を採用する日本の企業が次第に増え、日本経済は復活する。
ジョブ型雇用で、ジェンダー差別、年齢差別がなくなり、少子化問題と高齢化問題が緩和される。なお、これらの問題を解決するには、ゼロリセット計画の方法の適用は余りに遅かった。
ゼロリセット計画の方法は、2016年から、成り手が激減していた公務員改革にも適用される。南山洋子は、その時にはタスクフォースのメンバーになるだろう。そして、洋子は、政治の世界から身を洗うことになる。
それから、予想する人は少ないと思うが、ベーシックインカム法案が成立する。これは、IT失業に対応するというより、組織の改変の伴う失業時の失業保険の拡充の意味が強い。失業を恐れない社会、失業を学びの場と考える社会を実現する第一歩となる。
もうひとつ、ここには書かなかった重要な案件にスキップ補正法案がある。これは、既に、退職してしまった人と、退職前にジョブ型雇用に切り替わった人(スキップした人)の間の不公平を是正する法案である。調整は、課税措置でなされるであろう。もちろん、徴税は、IDで一括管理され、申告書は、自動的に作成されたものを確認するだけになる。
この予想が出来ることは、日本経済復活とジェンダー問題解決への道筋が見えたことを意味する。
作者としては、これ以上、この物語を続けることは、蛇足のそしりを免れないので、ここに、筆を擱く。
南山洋子の将来が気になる読者もいると思われるので、以下に、洋子の後日談をつけて、この物語を終わろう。
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