(二)-4

文字数 233文字

 その後、私とあの男はそれぞれ浴衣や着替えの下着などを持って大浴場へ向かった。大浴場はホテルの地下一階にあった。ホテルの建物は山の緩やかな斜面に建てられていた。そのため、地下一階と言っても、大浴場は建物の谷側に面して設置されており、露天風呂も設けられていた。
 大浴場の入口で私たちは別れた。男がのれんを手でのけながら男湯に入るのを確認すると、私はすぐに部屋へ引き返した。エレベーターで三階に上がり、一度部屋に戻った。そして防寒着を身につけて、再び部屋を出た。

(続く)
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