謎の男
文字数 4,053文字
「クックックック…
また会えましたね、レオォォ」
エヴァンの意識を奪った謎の正体不明の男は、レオの怯えた姿を見て、上機嫌でレオに向かって、挨拶をした。
レオは怯えながら、奪った男に向かって、
「…お前、誰なんだ?先生を何処にやった?」
それを聞いたその男は、茶化した言い方をして、
「エヴァンだよ~。君の愛してやまない大好きな先生だよ」
レオは怯えながらも、その男に反論をし、
「…ふざけるな、先生はそんな、凶悪な性格じゃない」
レオのその言葉を聞いて、その男は、
「…凶悪ねぇ~、私が怖いんですか?レオ。そういえば、さっき散々追いかけっこと、君の首を締め付けましたしね~。クックック…」
そう言い、その謎の男は手を口に持っていき、エヴァンの顔で不気味に微笑んだ
。
レオはそんな謎の男を見て、震えながらも、
「とにかく、今すぐ先生を返せ!」
と、その男に向かって指を指した。
レオの怯えた姿を見て、謎の男は、
「君、怯えてるじゃないか。それにさっきから返せ返せと言ってるけど、君の大好きな先生は、私が心を喰っちゃったからね」
それを聞いたレオは、
「…喰った?じゃあ先生は…」
男は顔をニヤけ、レオに向かってこう言った。
「…さあ、私の中で生きてるのか死んでいるのか…、まさか彼が意識を取り戻すとは思いませんでしたよ。今まで意識を取り戻した人間なんていませんでしたから…」
レオはそれを聞いて、
「…おまえ、本当に何者なんだ?」
レオの話を聞いて謎の男は、
「何者でもいいじゃないですか…別に誰だって…、それより…」
ビュッ!
「!?」
男は一瞬にして、レオの背後に回り、レオの後ろからもたれるように手をまわし抱きついた。
そして男はレオを、なめまわし、愛着があるようにこう言ってきた。それは、
「あぁ~、嗅ぐわしい…
いい匂いだレオォ。
私は私なりに君が好きなんですよ、レオ」
レオはその男の台詞を聞き、ゾッとし、怯えた。
そして、いつの真に背後にと思い、恐怖し、怯えた。
男はさらにレオにエヴァンの身体で馴れ馴れしくギュッと抱き締め、顔をスリスリとレオの首にこすりつけた。
だが、レオの体に密着し、ひっついているうちに、男は段々と興奮していき、ハァハァと言いながら、こう言ってきた。
それは、
「あぁ~、だめだ。
理性が崩壊する。
子供の肉が食べたい。
食べてグチャグチャにして血みどろステーキで喰いたい
喰いたい…喰いたい…
肉が喰いたい!」
そう言うと男は、レオに抱きついたまま、爪がギシギシと長くなり、表情は尋常じゃない顔に変化し、エヴァンの顔は獲物をはうような顔になった。
レオは、その表情を見て、
「ひっ!」
と悲鳴をあげ、急いでエヴァンの体を振り払った。
振り払った後、レオは思った。
こいつ!やっぱり怖い!
めちゃめちゃ恐ろしい人格だと思ったが、
危険だ!危険すぎる!
獲物をなぶり殺すあの瞳。
捕まれば一貫の終わりだ。
レオはこの時、あの時の恐怖が頭の中でよみがえり怯えた。
獲物を這う眼。
みさかえなく襲う闘争心。
鋭い爪や牙。
レオはこの時、エヴァンに助けを求めた。
だが、エヴァンの心は、目の前の男に心を喰われて、現在行方不明中。
レオは涙目になりながら、エヴァンの名前をずっと心の中で叫んでいた。
そして、正気に戻って下さいと何回もエヴァンにお願いをし、震えながら、守りの姿勢に入った。
レオが守りの姿勢に入っていると、エヴァンの身体は、レオを目掛けて、攻撃を仕掛けてきた。
赤く、真っ赤な獣の眼。
みさかえなくレオを襲い、レオは逃げるのに必死だった。
レオはエヴァンの身体を見て、
やばい!やばい!
めちゃくちゃ早い!
前、戦った時より鋭く、スピードがあり、みさかえなく攻撃してくる。
攻撃、攻撃しろ、レオ!
でないとこのままじゃ喰い殺されて、生き血を吸われてしまう!
レオは怯えながらも、自分に攻撃しろと言い聞かせて、攻撃体制に入った。
だが、レオがエヴァンの身体に拳をぶつけようとすると、
当たらない!
スピードが早すぎて、俺の体が追い付いていない。
これが、人間と吸血鬼の差…。
身体能力に差が…
ブンッ!
「!?」
レオがそうこう考えている時、いきなりエヴァンの鋭い爪がレオを目掛けて無数に攻撃を仕掛けてきた。
そして、叫び、雄叫びをあげながら、エヴァンの身体はレオに、全身を切り裂き、レオは叫び声をあげた。
ズチャッズチャッズチャッ!!!
「ぎゃあぁ~!!」
無数のエヴァンの鋭い爪が、レオの体を襲う。
レオが攻撃をうけて悲鳴をあげていると、エヴァンの身体は顔をニヤつかせ、まるで狩りを楽しんでいるかのような表情をした。
遊んでいる…
完璧に獲物をなぶり、楽しんでいる。
この時、レオはさらに恐怖を感じ、そのままエヴァンの攻撃をうけ、レオは壁に打ち付けられた。
ドカカカカカカッ!!!!
「ぐはぁっ!!」
レオはもろに攻撃をくらい、その場で倒れた。
そして、エヴァンを見て、先生と声を出し、目を覚ましてとお願いをし、そのままの姿勢で倒れた。
仮面の魔族は二人の様子を見て、レオがエヴァンに助けを求めている姿を見てこう話した。それは、
「無駄だよ、無駄。
エヴァンの心は、闇の中だよ」
そう、吐き捨てるような言い方をすると、仮面の魔族は顔をニヤつかせ、笑った。
そして今度はそのままエヴァンに向かって、冷淡な声で命令を下した。
「…そろそろ、獲物をなぶるのをやめろ、エヴァン。
殺せ…レオを確実に…
そしておまえは永遠に闇に堕ちるのだ」
そう仮面の魔族が言葉を発すると、エヴァンの身体はガクンッと止まり、興奮し殺気だった感情がなくなり、眼はうつろになった。
「…さあ、そのままレオを殺せ、エヴァン、お前の手で、教え子を殺すのだ」
仮面の魔族が命じると、エヴァンの身体はコクンッと首を縦に振った。
そしてまるで操り人形のように、スタスタとレオの方に向かい、仮面の魔族に命じるままにレオの方に歩いていった。
レオはこっちに向かってくるエヴァンを見て、
「先生!正気に戻って下さい!
俺です!レオです!」
レオは一生懸命エヴァンに向かって、声を出し叫んだ。
だがエヴァンは依然として意識が戻る気配がない。
エヴァンは呆然とした目つきでレオの方を見て、そして仮面の魔族に命じられるままに、レオの所まで来た。
「先生!」
レオはもう一度エヴァンの名前を呼び、エヴァンに話しかけた。
この時、レオの姿はボロボロ。
さっきのエヴァンからうけた無数の傷と、エヴァンに手で弾かれ壁に叩きつけられた傷が、レオの身体にダメージを被っていた。
仮面の魔族はエヴァンに、
「確実に止めを刺せ。いいな、確実にレオを殺すのだ」
そう、仮面の魔族がエヴァンに命令すると、エヴァンは無言でレオの襟元を左手で掴み、ジッと睨み付け、右手の爪でレオの心臓を貫く姿勢をした。
エヴァンの姿勢を見て、この時、レオは、
「もういないのか…、先生は本当にさっきのヤバイ奴に心を喰われてしまったのか」
レオは襟を捕まれながらエヴァンの顔を見ていると、
…いや、信じてあげなきゃ。
先生は完全に心を喰われてない。
先生は今もこの中にいるんだと…。
この時レオは、エヴァンを見て思った。
一度今まで、不可能だと思った意識が戻った。
先生は一度、不可能だと思われた意識をとり戻し、仮面の魔族の魔力の影響を一度打ち消した事を…。
そうレオがエヴァンに対して思うと、レオはもう一度、エヴァンの名前を呼び、こう話を呼び掛け叫んだ。
「先生!負けるな!
仮面の魔族なんかに!」
レオがエヴァンに向けて、そう叫ぶと、エヴァンの身体はピクッと動き、反応し動いた。
そしてエヴァンは身体が震えながら、右手を顔に持っていき、うぅ…っと言いながら額から汗を流した。
レオはそんなエヴァンの反応を見て、さらにエヴァンに対してこう叫び、
「俺は信じています!
先生の心が完全に消えていない事を!
だから奴の力と戦って下さい!
戦って俺の元に戻ってきて下さい!」
レオがエヴァンにそう叫ぶと、仮面の魔族は、エヴァンに対し、
「戯れ言を耳に貸すな、エヴァン。殺せ!レオを殺すのだ!」
エヴァンはレオの叫びを聞くと、レオを掴んでいる左手をパッと放し、頭を両手で抱え苦しみ出した。
そして、レオ…、レオ…とうわ言のようにレオの名前を呼び、苦しみながらもレオの方を見た。
…そう、レオの強い信じる心の言葉が、エヴァンの心に響き、彼を眠りから覚ましたのだ。
二人の信頼しきっている心が、彼の力の影響を打ち消し、エヴァンは深い闇から目が覚めたのだ。
エヴァンの様子を見て、レオは、エヴァンの名前を、そして先生!と力いっぱい叫んだ。
すると、レオの叫び声を聞いたエヴァンは、ガクンと身体が落ち、その場で力が抜けたように下に倒れ、地面に足をついた。
「レオ…」
エヴァンはレオの顔を見て、意識をとり戻した。
「…先生」
レオは意識をとり戻したエヴァンを見て、喜び近寄った。
だが、エヴァンの表情を見ると、意識がとり戻したのに浮かない顔をしている。
レオはそんなエヴァンの顔を見て、
「…先生、どうしたのですか?」
と訪ね、エヴァンの方につめ寄り話した。
この時エヴァンは深刻そうな顔をし、少し間をあけ、下を向いていた。
そしてエヴァンは意を決したように顔をあげ、レオの方を見て、悲しげな顔をし、レオの方に向かってこう言った。それは、
「…お別れだ、レオ」
また会えましたね、レオォォ」
エヴァンの意識を奪った謎の正体不明の男は、レオの怯えた姿を見て、上機嫌でレオに向かって、挨拶をした。
レオは怯えながら、奪った男に向かって、
「…お前、誰なんだ?先生を何処にやった?」
それを聞いたその男は、茶化した言い方をして、
「エヴァンだよ~。君の愛してやまない大好きな先生だよ」
レオは怯えながらも、その男に反論をし、
「…ふざけるな、先生はそんな、凶悪な性格じゃない」
レオのその言葉を聞いて、その男は、
「…凶悪ねぇ~、私が怖いんですか?レオ。そういえば、さっき散々追いかけっこと、君の首を締め付けましたしね~。クックック…」
そう言い、その謎の男は手を口に持っていき、エヴァンの顔で不気味に微笑んだ
。
レオはそんな謎の男を見て、震えながらも、
「とにかく、今すぐ先生を返せ!」
と、その男に向かって指を指した。
レオの怯えた姿を見て、謎の男は、
「君、怯えてるじゃないか。それにさっきから返せ返せと言ってるけど、君の大好きな先生は、私が心を喰っちゃったからね」
それを聞いたレオは、
「…喰った?じゃあ先生は…」
男は顔をニヤけ、レオに向かってこう言った。
「…さあ、私の中で生きてるのか死んでいるのか…、まさか彼が意識を取り戻すとは思いませんでしたよ。今まで意識を取り戻した人間なんていませんでしたから…」
レオはそれを聞いて、
「…おまえ、本当に何者なんだ?」
レオの話を聞いて謎の男は、
「何者でもいいじゃないですか…別に誰だって…、それより…」
ビュッ!
「!?」
男は一瞬にして、レオの背後に回り、レオの後ろからもたれるように手をまわし抱きついた。
そして男はレオを、なめまわし、愛着があるようにこう言ってきた。それは、
「あぁ~、嗅ぐわしい…
いい匂いだレオォ。
私は私なりに君が好きなんですよ、レオ」
レオはその男の台詞を聞き、ゾッとし、怯えた。
そして、いつの真に背後にと思い、恐怖し、怯えた。
男はさらにレオにエヴァンの身体で馴れ馴れしくギュッと抱き締め、顔をスリスリとレオの首にこすりつけた。
だが、レオの体に密着し、ひっついているうちに、男は段々と興奮していき、ハァハァと言いながら、こう言ってきた。
それは、
「あぁ~、だめだ。
理性が崩壊する。
子供の肉が食べたい。
食べてグチャグチャにして血みどろステーキで喰いたい
喰いたい…喰いたい…
肉が喰いたい!」
そう言うと男は、レオに抱きついたまま、爪がギシギシと長くなり、表情は尋常じゃない顔に変化し、エヴァンの顔は獲物をはうような顔になった。
レオは、その表情を見て、
「ひっ!」
と悲鳴をあげ、急いでエヴァンの体を振り払った。
振り払った後、レオは思った。
こいつ!やっぱり怖い!
めちゃめちゃ恐ろしい人格だと思ったが、
危険だ!危険すぎる!
獲物をなぶり殺すあの瞳。
捕まれば一貫の終わりだ。
レオはこの時、あの時の恐怖が頭の中でよみがえり怯えた。
獲物を這う眼。
みさかえなく襲う闘争心。
鋭い爪や牙。
レオはこの時、エヴァンに助けを求めた。
だが、エヴァンの心は、目の前の男に心を喰われて、現在行方不明中。
レオは涙目になりながら、エヴァンの名前をずっと心の中で叫んでいた。
そして、正気に戻って下さいと何回もエヴァンにお願いをし、震えながら、守りの姿勢に入った。
レオが守りの姿勢に入っていると、エヴァンの身体は、レオを目掛けて、攻撃を仕掛けてきた。
赤く、真っ赤な獣の眼。
みさかえなくレオを襲い、レオは逃げるのに必死だった。
レオはエヴァンの身体を見て、
やばい!やばい!
めちゃくちゃ早い!
前、戦った時より鋭く、スピードがあり、みさかえなく攻撃してくる。
攻撃、攻撃しろ、レオ!
でないとこのままじゃ喰い殺されて、生き血を吸われてしまう!
レオは怯えながらも、自分に攻撃しろと言い聞かせて、攻撃体制に入った。
だが、レオがエヴァンの身体に拳をぶつけようとすると、
当たらない!
スピードが早すぎて、俺の体が追い付いていない。
これが、人間と吸血鬼の差…。
身体能力に差が…
ブンッ!
「!?」
レオがそうこう考えている時、いきなりエヴァンの鋭い爪がレオを目掛けて無数に攻撃を仕掛けてきた。
そして、叫び、雄叫びをあげながら、エヴァンの身体はレオに、全身を切り裂き、レオは叫び声をあげた。
ズチャッズチャッズチャッ!!!
「ぎゃあぁ~!!」
無数のエヴァンの鋭い爪が、レオの体を襲う。
レオが攻撃をうけて悲鳴をあげていると、エヴァンの身体は顔をニヤつかせ、まるで狩りを楽しんでいるかのような表情をした。
遊んでいる…
完璧に獲物をなぶり、楽しんでいる。
この時、レオはさらに恐怖を感じ、そのままエヴァンの攻撃をうけ、レオは壁に打ち付けられた。
ドカカカカカカッ!!!!
「ぐはぁっ!!」
レオはもろに攻撃をくらい、その場で倒れた。
そして、エヴァンを見て、先生と声を出し、目を覚ましてとお願いをし、そのままの姿勢で倒れた。
仮面の魔族は二人の様子を見て、レオがエヴァンに助けを求めている姿を見てこう話した。それは、
「無駄だよ、無駄。
エヴァンの心は、闇の中だよ」
そう、吐き捨てるような言い方をすると、仮面の魔族は顔をニヤつかせ、笑った。
そして今度はそのままエヴァンに向かって、冷淡な声で命令を下した。
「…そろそろ、獲物をなぶるのをやめろ、エヴァン。
殺せ…レオを確実に…
そしておまえは永遠に闇に堕ちるのだ」
そう仮面の魔族が言葉を発すると、エヴァンの身体はガクンッと止まり、興奮し殺気だった感情がなくなり、眼はうつろになった。
「…さあ、そのままレオを殺せ、エヴァン、お前の手で、教え子を殺すのだ」
仮面の魔族が命じると、エヴァンの身体はコクンッと首を縦に振った。
そしてまるで操り人形のように、スタスタとレオの方に向かい、仮面の魔族に命じるままにレオの方に歩いていった。
レオはこっちに向かってくるエヴァンを見て、
「先生!正気に戻って下さい!
俺です!レオです!」
レオは一生懸命エヴァンに向かって、声を出し叫んだ。
だがエヴァンは依然として意識が戻る気配がない。
エヴァンは呆然とした目つきでレオの方を見て、そして仮面の魔族に命じられるままに、レオの所まで来た。
「先生!」
レオはもう一度エヴァンの名前を呼び、エヴァンに話しかけた。
この時、レオの姿はボロボロ。
さっきのエヴァンからうけた無数の傷と、エヴァンに手で弾かれ壁に叩きつけられた傷が、レオの身体にダメージを被っていた。
仮面の魔族はエヴァンに、
「確実に止めを刺せ。いいな、確実にレオを殺すのだ」
そう、仮面の魔族がエヴァンに命令すると、エヴァンは無言でレオの襟元を左手で掴み、ジッと睨み付け、右手の爪でレオの心臓を貫く姿勢をした。
エヴァンの姿勢を見て、この時、レオは、
「もういないのか…、先生は本当にさっきのヤバイ奴に心を喰われてしまったのか」
レオは襟を捕まれながらエヴァンの顔を見ていると、
…いや、信じてあげなきゃ。
先生は完全に心を喰われてない。
先生は今もこの中にいるんだと…。
この時レオは、エヴァンを見て思った。
一度今まで、不可能だと思った意識が戻った。
先生は一度、不可能だと思われた意識をとり戻し、仮面の魔族の魔力の影響を一度打ち消した事を…。
そうレオがエヴァンに対して思うと、レオはもう一度、エヴァンの名前を呼び、こう話を呼び掛け叫んだ。
「先生!負けるな!
仮面の魔族なんかに!」
レオがエヴァンに向けて、そう叫ぶと、エヴァンの身体はピクッと動き、反応し動いた。
そしてエヴァンは身体が震えながら、右手を顔に持っていき、うぅ…っと言いながら額から汗を流した。
レオはそんなエヴァンの反応を見て、さらにエヴァンに対してこう叫び、
「俺は信じています!
先生の心が完全に消えていない事を!
だから奴の力と戦って下さい!
戦って俺の元に戻ってきて下さい!」
レオがエヴァンにそう叫ぶと、仮面の魔族は、エヴァンに対し、
「戯れ言を耳に貸すな、エヴァン。殺せ!レオを殺すのだ!」
エヴァンはレオの叫びを聞くと、レオを掴んでいる左手をパッと放し、頭を両手で抱え苦しみ出した。
そして、レオ…、レオ…とうわ言のようにレオの名前を呼び、苦しみながらもレオの方を見た。
…そう、レオの強い信じる心の言葉が、エヴァンの心に響き、彼を眠りから覚ましたのだ。
二人の信頼しきっている心が、彼の力の影響を打ち消し、エヴァンは深い闇から目が覚めたのだ。
エヴァンの様子を見て、レオは、エヴァンの名前を、そして先生!と力いっぱい叫んだ。
すると、レオの叫び声を聞いたエヴァンは、ガクンと身体が落ち、その場で力が抜けたように下に倒れ、地面に足をついた。
「レオ…」
エヴァンはレオの顔を見て、意識をとり戻した。
「…先生」
レオは意識をとり戻したエヴァンを見て、喜び近寄った。
だが、エヴァンの表情を見ると、意識がとり戻したのに浮かない顔をしている。
レオはそんなエヴァンの顔を見て、
「…先生、どうしたのですか?」
と訪ね、エヴァンの方につめ寄り話した。
この時エヴァンは深刻そうな顔をし、少し間をあけ、下を向いていた。
そしてエヴァンは意を決したように顔をあげ、レオの方を見て、悲しげな顔をし、レオの方に向かってこう言った。それは、
「…お別れだ、レオ」