出会い(6)

文字数 490文字

流風くんと美雨ちゃんはとても人なつっこい性格で、わたしたちはもうすっかり打ちとけていた。



「おじいちゃん、遅いなあ。あとから来るって言ってたんだよね?」



美雨ちゃんが首をかしげて流風くんを見る。



「そのはずなんだけど。ボク、呼びに行ってくるよ」

「わたしも行く! 比呂ちゃん、ちょっと待っててね!」

「あ、うん……」



美雨ちゃんと流風くんはソファから立ちあがると、一緒に部屋を出て行った。



──仲がいいな。親戚とかなんだろうな……。



ふと窓の外に目をやると、もう雨はあがっていた。

庭の植え込みの緑が、日の光を浴びて輝いている。



──ん? ここの庭、こんな手入れしたばっかりって感じだったっけ?



ぼんやりとした違和感をおぼえる。



──それに、客間の家具の配置も変わってる……?

──なんだろう……同じ家なのに、前とどこかが違うような……。



言葉にできない心もとなさを感じたときだった。

軽快なノックの音とともに客間のドアが開く。

入ってきたのは、白髪をオールバックにした、すらりと背の高い老紳士だった。


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