食材：黄金果
文字数 593文字
よし、皆そろったね。
今日はお得意様の君たちに、特別デザートだ。
特別……？
デザート……？
どうでもいい話だけど、君ら兄弟って全く同じ表情を時があるよな。
それも、全く同じタイミングでね。
性格はずいぶん違うのに、本当に仲良しなんだから。
そうだろ、そうだろ？
いい兄弟だろー？
俺の弟かわいいだろー？
まだ飲んでもいないのに、
酔っ払ったテンションにならないでください。
ここまでの流れは大体テンプレ通りだな……。
ところで、そろそろ出していいかな。
溶けてしまうと困るし。
は？ 溶ける？
黄金果が手に入ってね。
ちょうどプレリー高原から乳製品が届いたし、
黄金果のヨーグルトジェラートを作ってみたんだ。
はい、どうぞ。
お、すごいな。
うちでも中々食べないぞ、黄金果って。
それこそ魔術師協会から報酬ついでに貰うくらい。
いただきますね。
ああ、いい香りだ。
果肉が十分甘いから、砂糖を使う必要がないんだ。
味付けは正真正銘、黄金果の甘みだけだよ。
ああ、少ない。
食べるのが勿体ない。
とは言っても、溶けたら溶けたで勿体ないですよ。
確かジェラートを作るには、
液体状の材料を凍らせてはかき混ぜるを繰り返すのでしょう？
うん、今回は６回くらい混ぜたかな。
舌触りにもこだわったんだから、
溶けないうちに食べてくれないと……。
くれないと？
悲しい。
わかってるよ。
ちゃんと美味しいうちに食べるから。
（この2人も仲良いよなー）
（親しい友人、いいですね）
