▲虹色の暁・アウローラ

文字数 580文字

「私。ずっと憧れていた。彼らの生き方に。でも過去、前世の記憶に引きずられながら、いつも敵役ばかり演じていた。もう悪役なんかごめんだ。本当に、円卓の一員になりたい。ガイアを援けたい。プレベール、あなたを……。エゴのためじゃなく、私、あなたの役に立ちたいって心から思ってる」
 マリスは今、純粋な気持ちでそう言った。
 アトランティスにおいて遂に円卓、そしてアマネセル姫はマリスを受け入れてくれた。ラーの娘・マアトと一体化し過去を思い出したアマネセル姫は、最初からマリス・ヴェスタに対して何も言わずに受け入れた。
「マリス。少しずつだけど、あなたの力は回復しつつある。ずっと闇の子だったあなたは、長い転生の過程で光エネルギーが増加している。アマネセルは、過去の記憶を紐解いた。私の記憶をね。だから姫はあなた自身の善の炎が少しずつ大きくなっている事実を、長い転生を通して確信しつつあった。そして今や光と闇は逆転し、マリスと云う黒い石は明るい灰色になっている。やがて完全な白い石になる事ができる。光の子に。その時に、きっと世界が変わるって信じて」
 そうなのだ。姫はマリスの中の「善の火種」を信じてくれた。だからこそ。アルコン隊長に誘われて初めて円卓に入った時、スパイだとすぐ分かったにも関わらずに姫は受け入れてくれた。正体に気付いていない訳がない。うれしかった……。
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